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2007年8月17日、試合前に巨人・原監督と談笑するヤクルト・ラミレス(右)
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日本一奪回を目指す巨人が、ヤクルトを退団したアレックス・ラミレス外野手(33)を獲得することが6日、決定的となった。2年総額12億円が基本線とみられ、細部の詰めの作業を行っている。5日には横浜を退団したマーク・クルーン投手(34)の獲得を発表したばかり。守護神に続き、懸案事項だった右の大砲も手に入れようとしており、戦力補強は着々と進んでいる。
前日5日には先発復帰の上原に代わる守護神・クルーンの獲得を発表。先月7日にはトライアウト直後にロッテを戦力外となった藤田の獲得を決めるなど、来季へ着々と投手力の基盤を固める巨人が、野手の補強を本格化させる。複数の球団関係者の話を総合すると、ラミレスとの交渉は既に大詰め。条件は2年総額12億円前後とみられ、さらに細部を詰めていく。
日本一奪回に向け、巨人にとっては“最強のピース”といえる。球団関係者はかねて「右の大砲は補強ポイントの一つ」と話していた。今季は高橋由、小笠原、李スンヨプ、阿部が、プロ野球史上初となる左打者による“30発カルテット”を達成。その一方で、右打者でシーズンを通してレギュラーを務めたのは谷と二岡だけだった。5番を期待された1年目のゴンザレスは左手骨折もあり、わずか25試合出場で3本塁打。クライマックスシリーズ第2ステージ初戦で、中日の左腕・小笠原の“奇襲先発”に遭い、左偏重打線の弱点を露呈した。
ラミレスが加われば、クリーンアップに座るのは確実。通算211本塁打を記録している日本での実績は言うまでもない。今季は打点王に加え、右打者としてプロ野球史上初の200安打超えを達成し、最多安打のタイトルも獲得した。パワーと確実性を兼ね備えたポイントゲッターで、左右のバランスがよくなると同時に、小笠原や李への相手投手のマークを軽減させることにもつながる。
3年契約が切れたラミレスにヤクルト側は再契約へ、今季年俸3億円から1年契約の5億円を提示。しかし、複数年契約にこだわったラミレス側とは平行線をたどった。先月15日に独占交渉権が切れ、ヤクルト側は引き留めを断念。中日、ソフトバンク、オリックスなども興味を示していたが、2年総額12億円前後は年数、金額ともにヤクルトを上回り、ラミレス側との要望にも合致する。
巨人は並行して中日からFA宣言した福留との交渉も継続しているが、まずはラミレス獲得に成功すれば、大幅な戦力アップとなる。天性の明るいキャラクターは人気面でも期待大。リーグ連覇、日本一奪回を狙う原巨人にまた一つ、死角がなくなる。
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