福岡西署は7日、大麻取締法違反の疑いで、大手予備校(福岡市中央区渡辺通4丁目)と専修学校の男子学生ら5人(18‐20歳)を逮捕し、九州大の男子学生ら2人(いずれも19歳)を書類送検したと発表した。7人とも容疑を認め、「受験勉強のストレスから逃れたかった」などと供述しているという。


 逮捕された5人のうち男子予備校生(18)は9月18日、福岡市西区の自宅で紙巻きの乾燥大麻1本を所持していた疑い。ほかの4人は9月13‐15日、予備校内などで紙巻き大麻を1本につき1000‐2500円で売買していた疑い。それぞれ知人から数本を買い求めて吸引し、残りを知人に売りさばいていた。

 書類送検された九大生ら2人は、予備校生から紙巻き大麻1‐3本を譲り受けた疑い。

 同署によると、9月16日、男子予備校生が大麻を吸引して気分が悪くなり、病院へ搬送された。事情を知った保護者が同署に届け出て発覚した。7人は「受験勉強のストレスから逃れたかった。気分転換のために興味本位で吸った」などと供述しているという。


 大麻の違法な栽培、売買で大学生ら若者が摘発される事件が相次いでいる。九州でも過去に摘発例があり、若者にまん延する実態があらためて浮き彫りになった。

 大麻をめぐっては、関東学院大三年のラグビー部員2人(退部)が、部が借り上げた横浜市内のマンションで大麻草を栽培し、大麻取締法違反(栽培)の罪で起訴されたばかり。2人は「ほかのラグビー部員十数人も(大麻を)吸った」などと供述し、春口広監督(58)が引責辞任するなど波紋を広げた。

 九州では2003年9月、九州産業大(福岡市東区)の学生や卒業生計14人が大麻を栽培、売買していたとして逮捕された。同10月には九州大の大学院生も自宅で大麻を栽培したとして逮捕されるなど、学生の逮捕者が出た大学・短大は計5校に上った。

 同法違反での福岡県内の逮捕者は9月末現在、前年同期を16人上回る73人。約半数を占める福岡中央署の摘発分の平均年齢は24歳と若年化が進む。

 また麻薬の一種である大麻は、栽培や、葉などを加工した乾燥大麻、大麻樹脂の所持、売買は同法違反に問われるが、種子そのものは取り締まりの対象外で、福岡市の繁華街で販売されている問題も指摘されている。

=2007/12/07付 西日本新聞夕刊=