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社会

構造改革で「格差拡大」65% 否定意見は都市も地方も 北大全国世論調査(12/07 06:38)

 北大の政治学を専門とする教員らでつくる「市民社会民主主義研究プロジェクト」(代表・山口二郎法学部教授)が全国の約千五百人を対象に実施した世論調査で、小泉純一郎、安倍晋三政権の構造改革で「日本はどうなったと思うか」との問いに対し、65%が「貧富の差、都市と地方の格差が広がった」と回答したことが六日分かった。都市部も地方も回答の傾向は変わらず、構造改革の陰の部分を問題視する声が、全国的に強いことが浮き彫りになった。

 プロジェクトには、北大法学部の教員を中心に十五人が参加。調査は十一月下旬、コンピューターで無作為に選んだ番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法を用い、北海道新聞情報研究所に委託して実施した。

 構造改革の評価=グラフ=は、六項目から二つを選ぶ形で調べ、格差拡大のほか「公共サービスの質が低下した」など否定的な回答が多かった。逆に「政治家や官僚の不透明な特権が是正された」「経済的な活力が高まり、豊かさを取り戻した」といった肯定的な評価は低かった。

 地域ごとに見ても、「格差拡大」は「東京都区部と政令指定都市」から「郡部」まで全地域で最も多かった。

 「今の日本で最も困っている人は誰だと思うか」との問いでは(一つだけ回答)、高齢者(29%)と「フリーターなど正社員ではない若者」(27%)が多く、農家と障害者が各13%で続いた。貧困問題の対策については、直接的な経済援助より職業訓練など自立支援に力を入れるべきだとの意見が多かった。

 同プロジェクトは本年度から五年間、今後の民主主義や公共政策のあり方などについて研究しており、今回の調査結果は研究の基礎資料とする。

 結果について、山口代表は「都市部でも、構造改革の弊害に対する不安が大きいことが分かった。国民の多くは、競争と効率重視の新自由主義に対抗しながらも、旧来型の大きな政府ではない第三の道を求めているようだ」と分析している。

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