LB法の原理


アラキン酸などの両親媒性分子を有機溶媒に溶かし、トラフの水面上に展開すると(a)、分子の親水基が水面側に、疎水基が大気側に向き、水面上に分子が広がります(b)。その後、バリアにより分子を圧縮すると水面上の分子が凝集し、2次元固体膜が形成されます(c)。この状態で水中に基板を浸漬すると、水面上の単分子膜が基板上に累積され、LB膜が形成されます。LB膜は常温・常圧で製膜することができ、分子層数の制御が簡便に行えることから注目されている手法です。

 (c)の状態からさらにバリアで圧縮すると、水面上の単分子膜は崩壊してしまいます(d)。(a) →(d)のプロセスにおいて、水面上の表面圧を一分子あたりの分子占有面積に対してプロットした図を表面圧-面積等温曲線(π-A曲線)と呼びます。 2次元固体膜の形成や崩壊などの分子の凝集状態の変化は、 π-A曲線に反映されます。