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米艦隊の香港寄港拒否問題 背景に海洋覇権争い (1/2ページ)

2007.12.7 10:20
米海軍横須賀基地に帰港した空母キティホーク=27日午後3時、神奈川県横須賀市米海軍横須賀基地に帰港した空母キティホーク=27日午後3時、神奈川県横須賀市

 米中の外交、軍事面でのせめぎ合いが再び激化し始めた。中国が11月に空母キティホークをはじめとする米軍艦の香港寄港を繰り返し拒否したことで、鬱積(うっせき)していた相互不信が一気に表面化した。根底にはアジア太平洋地域における米中の覇権争いがある。中国が神経をとがらせる来春の台湾総統選挙を前に、米中の際どい攻防が熱を帯びつつある。

 11月21日、中国政府はキティホークをはじめとする米艦隊(ほかに護衛艦4隻と潜水艦1隻)の香港寄港を突如拒否した。8000人余りの乗組員は、航空機で香港入りしていた家族と感謝祭の休日を過ごす計画をつぶされた。

 中国は翌日になって寄港を認めたが、艦隊が香港から400キロも離れた後だった。屈辱的な仕打ちに反発したか、キティホーク率いる米艦隊は福建省沖の台湾海峡を北上して横須賀に戻った。

 米空母の台湾海峡通過は中国が台湾を武力威嚇した1996年3月の台湾海峡危機以来、11年ぶりのことで、米側の対中示威行動とみられた。

 入港拒否はこれだけではなかった。米国防総省は11月末、中国が寄港を拒んだ米軍艦は過去1カ月間で3回、9隻にのぼることを明らかにした。その中には悪天候から避難するため寄港を求めた掃海艇2隻が含まれ、米世論の中国への反感を増幅した。

 これに対し中国外務省は(1)米国が11月中旬に台湾へ地対空ミサイル、パトリオット2の改良型3基の売却を発表して台湾の独立派に(独立を支援するかのような)誤ったシグナルを送った(2)10月にチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世を招きブッシュ米大統領が会談した−ことを寄港拒否の理由とした。

 中国は台湾の陳水扁総統が来年3月の総統選にあわせて「台湾名義での国連加盟の是非を問う住民投票」を計画していることを「独立に向けた重大な動き」と激しく反発。11月上旬に訪中したゲーツ米国防長官にも台湾に先進兵器を売却しないよう強く求めた。

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米海軍横須賀基地に帰港した空母キティホーク=27日午後3時、神奈川県横須賀市
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