三重県松阪市の「松阪中央総合病院」に入院中の男性患者が今年2月、抗がん剤を過剰に投与された後に死亡した問題で、県警捜査1課と松阪署は、30代の男性主治医1人を今月中にも業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
調べによると、男性主治医は男性入院患者に抗がん剤「5-FU」を投与する際、通常1日1000ミリグラムを4回に分けて投与するところ、計4000ミリグラムを投与するように誤ってカルテに記載。5日間にわたって記載通りに抗がん剤を投与された男性患者を呼吸不全で死亡させた疑い。
病院によると、男性主治医は、男性患者の入院初日に、看護師から「投与する量が多いのではないか」との指摘を受けたが、自分が記載したカルテを確認していなかった。県警は病院側の届け出を受けて捜査。抗がん剤の過剰投与と男性患者の死亡との因果関係があると判断した。実際に抗がん剤を投与した看護師については、指示に従っただけとして責任を問わない方針。【飯田和樹、岡大介】
毎日新聞 2007年12月7日 2時30分 (最終更新時間 12月7日 2時38分)