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特集・コラム [ 話題の金融商品 ]
(4)ロシアと日本の関係=生涯の友人が作れる数少ない国
ロシアは信用できない国なんでしょうか・・・
- そんなことはありませんよ。ロシア株をポートフォリオの1つとして持つなら良いでしょうし、日本とロシアは関係が深いため、良好なパートナーにも成り得ます。
- 週刊朝日11月30日号によると、「カラマーゾフの兄弟」が50万部を超えて売れているそうです。難解な小説で有名ですが、訳者の東京外国語大学・亀山郁夫学長の魅力に加え、若い世代にもロシアが見直されていることを示す事例と言えるのではないでしょうか。
- 個人的に諸外国の人と付き合った実感では、ロシア人なら生涯の友となる信頼関係が築けます。BRICsの中でブラジル人は自分が楽しければ良いという自己中心的な性格ですし、インド人もどちらかというと自己中心的、中国人はつきまとって「カネをくれ!」としか言わない(笑)。ロシア人は日本が持つ長い歴史・文化的なバックを尊敬していますので、深く付き合えるのです。
- 日露戦争の終戦交渉の時、乃木大将はロシアのステッセル中将に敬意を払って帯刀を許しました。負けた将軍に斬りつけられる恐れがあるのに、礼を尽くしたわけです。共産主義革命でロマノフ王朝の貴族が海外に亡命した時、日本にも「白系ロシア人」と呼ばれる多くの人が来ました。神戸の老舗洋菓子店「モロゾフ」の創業者もそうで、私が小さい頃にも近くにロシア人がたくさんいました。
プーチン大統領の影響力が強まる中、今後の展望は?
- プーチン大統領の強権策も、今ままでのやり方で続くとは思えません。政権に批判的なジャーナリストが暗殺され、TVやラジオも潰されてしまうような手法は「貧すれば鈍す」でしょう。
- 国内基盤が盤石なプーチン政権だけに(※注2)、ロシア情勢の鍵を握るものとして、米国の次期大統領にヒラリー・クリントン上院議員が当選できるかどうかに注目しています。支持・不支持がハッキリ分かれていますが、彼女ほど強いアメリカを実現するのにふさわしい指導者・人格の強い人はいないでしょう。米国内の右派もヒラリー支持に戻ったと聞いています。
- 一見すると、クリントン政権時の弱腰外交が心配ですが、クリントン元大統領とヒラリーは別人格です。むしろヒラリーは英国のサッチャー元首相のように、強力な指導者となる資質があります。戦争なんかしないと思ったサッチャーでさえフォークランド紛争で介入しました。人権問題などでロシアと米国が衝突するようなことになれば、ロシアの政治情勢、経済発展もよりよい方向に向かうのではないでしょうか。
- ※注2 12月2日に行われたロシア下院議会選挙で、プーチン大統領率いる与党「統一ロシア」が圧勝した。4日の日経新聞によると、推定議席数は315議席。プーチン氏は3日、モスクワ郊外で「下院選の結果は私への信頼の表れでもある」と、勝利宣言したという。
今回の選挙はプーチン氏が候補者名簿のトップとなり、事実上の「信任投票」と位置づけられていた。プーチン氏が後継大統領に誰を指名するかが次の焦点だが、ロシア専門家の間では「2008年3月のロシア大統領選でプーチン氏が退任しても、与党内で影響力を維持すれば実質的なプーチン氏の支配構造が続く」と、懸念されている。
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【インタビュー:2007年11月、聞き手:MoneyLife 片平正二】
(掲載日:2007年12月5日)
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