特集・コラム [ 話題の金融商品 ]

【第22回】BRICs経済特集−6−「原油の代替投資先なら魅力的 著名ブロガーの証券マン「ぐっちーさん」に聞く」

(1)ロシアとの関わり=商社でロシアの改革期に駐在

質問 なぜブログを始めたのですか?
2005年のライブドア事件がキッカケです。堀江元社長が逮捕されるまで、新聞やテレビなどの一般メディアは「時代の風雲児」といった論調で取り上げていたと思いますが、私は彼が裏でマネーロンダリングやインサイダー取引など、インチキなM&Aをやっていたことを知っていました。「個人投資家が騙されてはいけない」と思い、ブログを書き始めたわけです。
日経新聞など、新聞の1つ1つの記事は大変良いのですが、その会社の状況、マーケットとの繋がりなど、背後関係を考えなければ投資の役には立ちません。例えばある会社について、「関連会社の業績が落ち、赤字決算を出した」と新聞で書かれたとします。記事はここで終わりですが、関連会社の業績が落ちた背景には、組織改革がうまくいっていない、管理が行き届いていないなど、様々なマネジメントの失敗がある筈です。
ブログを書いていると応援や批判も受けます。ただ長くやっていると、「その記事の向こうに何があるかを考えるようになりました」という書き込みを貰ったりしますから、私の意図が伝わったかなと思いますね。
質問 ロシアとの個人的な関わりは?
1984〜86年、旧ソビエト連邦に大手商社の駐在員として赴任していました。当時のソ連共産党書記長はアンドロポフ氏で、いまのウラジミール・プーチン露大統領と同じ国家保安委員会(KGB)出身です。彼が改革の先鞭をつけた時期で、書記長はその年にチェルネンコ氏、85年にゴルバチョフ氏へと代わり、ペレストロイカで改革は完結しました。
今や中国でさえ社会主義のかけらもない国になりましたが、私がいた頃のソ連は共産主義の実現を目指して輝いているように見えましたね。但し、今はロシアでも経済改革の反動が来ているようです。モスクワ市民の約半数は「貧富の差がない、ソ連時代の方が良かった」と思っているそうですから、プーチン政権はそういった復古主義的な声に配慮し、強権を発動しながらも、バランスを取った政権運営をしているのでしょう。



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