【12月6日 AFP】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米国首席代表、クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補は6日、北朝鮮は過去の計画も含めすべての核計画に関する信頼に足る申告を行わねばならないと強調した。6か国協議の関係国周辺では、北朝鮮の核計画申告および核施設無能力化が年内に完了するのは難しいとの見方があがっている。
寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設の無能力化作業視察などを含む北朝鮮訪問を終え、同日北京(Beijing)入りしたヒル次官補は、中国およびロシア代表への訪朝報告に先立ち行った記者会見で、「第1次案であっても提出された際には、それが信用できるものであることを明確にしなければならない」と語った。
一方、同日にヒル氏から報告を受けた韓国の宋旻淳(Song Min-Soon)外交通商相は、ソウル(Seoul)で会見し、申告作業の進展に懐疑的な見方を示した。宋通商相は「北朝鮮の核問題は順調な安定段階へと進むのか、それとも困難が待ち受けているのかの曲がり角にきている」と述べ、「核計画申告については前進していない。期限としている年度内に申告が行われなかった場合、われわれは現実的な観点から再調整を迫られるだろう」と懸念した。
ヒル次官補は核計画申告に対する障害として、北朝鮮のウラン濃縮計画疑惑をあげ、2月の6か国協議での合意に基づき米国が北朝鮮との国交を正常化させるためには、北朝鮮はプルトニウムや濃縮ウランの所在を明らかにせねばならないと明言した。訪朝中、北朝鮮側とウラン濃縮計画について多くの「非常に繊細な」議論を重ねたことを明かし、「未来の関係を築くためには、過去に何が行われたかを明らかにする必要がある」と強調した。
北京での会見の後、ヒル時間補は同日、中国首席代表の武大偉(Wu Dawei)外務次官と会談し、6か国協議の次回開催日程などを協議した。しかし、秦剛(Qin Gang)外務省報道官からは次回の開催日程については明らかにされなかった。
この後、ヒル氏は駐中国ロシア大使と会談し、7日に訪日して日本側代表に訪朝の説明を行う予定だという。(c)AFP/Karl Malakunas
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