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英露関係、危険水域に 英BBC記者ら3人襲撃

2007.12.6 20:51
このニュースのトピックスロシア・CIS

 【モスクワ=遠藤良介】英BBC放送のモスクワ支局に勤務する記者や職員3人が先月下旬以降、相次いで排外主義者とみられる男らの襲撃を受け、負傷していたことが明らかになった。BBCや在モスクワ英国大使館は親プーチン大統領の官製青少年団体による激しい圧力行為にもさらされている。3月の大統領選に向けてプーチン政権が排外姿勢を強めているのに伴い、特に悪化の一途をたどる英国との関係は“危険水域”に入ったようだ。

 BBCによると、先月24日、ロシア人職員が市内の地下鉄車内で排外主義のスローガンを叫ぶ男らに襲撃されて負傷。翌日には、やはりロシア人職員が自宅近くで襲撃を受けて鼻を骨折し、銀行カードや多額の現金を奪われた。30日にも、職場に向かっていたロシア人記者が襲われ、頭部を縫う重傷を負ったという。

 BBCは「尋常でない多数の攻撃をきわめて憂慮する。被害者らがBBCに勤務しているために攻撃されたのかは現時点で不明だが、その可能性を調査している」(声明文)とし、ロシア外務省にも職員の安全確保に関する対処を求めた。

 一方、英国大使館によると、政権派の官製青少年団体「ナーシ」が5日、同大使館前で大規模なデモを行い、ブレントン駐英大使の召還を求めるエリザベス女王あての書簡を職員に手渡した。団体は昨年夏、ブレントン大使が反政権派の会合で「市民社会」について演説したことに憤慨、それ以来、大使にストーカーなど圧力行為を繰り返している。団体は3日、BBC支局前にも現れてデモを行ったという。

 在モスクワ外交筋は「ナーシの行動はすべて大統領府の意を受けたものだ」と指摘している。

 英露関係は2003年、英国が反プーチン政権の政商、ベレゾフスキー氏とチェチェン穏健独立派の幹部、ザカエフ氏の政治亡命を認めたのを機に悪化。昨年11月、元FSB(連邦保安局)幹部のリトビネンコ氏がロンドンで毒殺された事件をめぐっては、両国が7月に外交官4人を追放し合う事態となっている。

 プーチン大統領は2日に投開票された下院選に先だって「国内外にロシアを弱めようとする勢力がある」などと欧米敵視の発言を強め、国内に蔓延(まんえん)する排外機運に拍車をかけた。モスクワでは、米英両国の出身者に対する反感が住民レベルで強まっており、在住者の一部から不安の声も聞かれる。

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