霞が関「埋蔵金」、国の財政巡り議論
中央省庁が立ち並ぶ東京・霞が関。ここに巨額の埋蔵金が隠されている?国の財政を巡る話で議論が起きています。 「言うところの埋蔵金などを探し出すというような能力があることが求められている」(自民党 中川秀直 元幹事長) 霞が関埋蔵金論争の火付け役はこの人、中川元幹事長です。中川氏は、日本の財政赤字解消のために、直ちに使う必要のない特別会計の中の準備金や積立金などに目をつけ、財政融資資金特別会計に19兆6千億円、外国為替資金特別会計に19兆3千億円の、取り崩しても支障がない埋蔵金があると指摘しています。その一部を国債の返済などに充てればよいというのです。 しかし、政府や自民党内からは、これらは、もしもの時の備えであり、“埋蔵金”は“伝説”にすぎないとの疑問の声が上がっています。 「お金がどっかにあるから、それを頼りにして成長を上げればというだけでは、これはまともな政策論にはならないわけであります」(自民党・税制調査会 津島雄二 会長) 背景には消費税を巡り、経済成長や歳出削減で今すぐ消費税を上げなくても増え続ける社会保障費などを賄えると主張する上げ潮派と、“埋蔵金”に頼ることは一時しのぎにすぎないという財政再建重視のグループとの綱引きがあります。 「埋蔵金っていうのを探しに行きましょうか、一緒に」(福田首相、今月4日) こうした中、政府与党は、来年度予算で財政融資特別会計の積立金から10兆円を国債の返済に充てる方向で調整に入りました。埋蔵金の存在が証明された形です。 ただ、積立金の取り崩しは現在の低金利が続くことが前提で、今後の金利上昇のリスクをどう見るか、論争も起こりそうです。(06日16:44)
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