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仏大統領、植民地時代の謝罪せず アルジェリア

2007.12.5 22:44
このニュースのトピックス欧州

 【コンスタンティーヌ(アルジェリア)=山口昌子】フランスのサルコジ大統領は5日、3日間にわたる旧植民地のアルジェリア公式訪問を終えた。核エネルギーの平和利用協力を含む総額73億ドル(約8000億円)以上の投資・協力協定を締結した。大統領は滞在中、一般的な植民地制度を「不正だ」と糾弾したが、アルジェリアが要請していた仏植民地時代(1830〜1962)に関する直接の謝罪はしなかった。

 協定には研究や技術移転、発電やウラン採掘などが含まれ、6月に米国がアルジェリアと結んだ議定書よりも踏み込んだ内容。ただ、実際の協力に際しては欧州原子力共同体(EURATOM)の承認が必要とされる。フランスは今年7月にリビア、10月にモロッコと核協力で合意している。

 大統領は5日、アルジェリア第3の都市コンスタンティーヌの大学で演説し、植民地時代やアルジェリア戦争(54〜62)に言及し、双方にある「苦痛」は忘れてはならないが、「未来を一緒に見つめよう」と述べた。

 3日の演説でも大統領は、「植民地制度は不正」と言明はしたが、戦争による「双方のすべての犠牲者を誇りにしたい」と述べるにとどまった。

 アルジェリアのゼルーニ内相・地方自治省は、一連の演説について、「良い方向に進んでいるが十分ではない」と述べ、謝罪の言葉が出なかったことに不満をにじませながら、「両国関係が新しいビジョンを持つことの妨げにはならないし、謝罪が必要かどうかは分からない」とも述べた。

 これに対し、アルジェリアの多くのメディアは、あくまで「謝罪」が必要としている。

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