「ビッグバン以前の宇宙はどうだったか?」
という疑問がある。これについては、「いろいろと仮説はあるが、はっきりとしたことはわからない」というのが、現段階では正解であるようだ。ただ、私なりに、エレガントな解答を出してみる。
※ なお、「現時点では、はっきりとしたことはわからない」という点については、下記を参照。
http://aquarian.cocolog-nifty.com/masaqua/2004/06/post_19.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=467822
──
以下で述べることは、あくまで私なりの仮説である。その点、誤解しないように。(公的な見解の紹介ではない。)
「ビッグバン以前の宇宙はどうだったか?」
という問題について有名な解答は、ホーキングの次の解答だ。
「そこでは時間すらもなかったから、『以前』という概念そのものが無効である」
これと同じことを、私も考えたことがあった。で、それで得意になっているかというと、そうでもない。実は、ホーキングは、この解答をのちに否定して、煙に巻いた。私も、この解答はエレガントでないと感じるので、正解だと信じているわけでもない。
で、最近になって、新たに別の解答を出した。こうだ。
「ビッグバン以前には、虚数次元に巨大なエネルギーがあった。その巨大なエネルギーが、虚数次元から実数次元に移転して、ビッグバンが生じた」
これは、仮説ではあるが、なかなかエレガントな解答だ。次のように言えるからだ。
「実数次元だけを見れば、宇宙にはビッグバン以前というものはない。そんなものを考えるのは無意味だ。しかし虚数次元も見れば、ビッグバン以前というものがある。観測できるものだけという範囲では、それ以前というものがないが、理論的には、それ以前というものがある」
なお、この仮説は、「虚数次元」という発想を使うので、前出の「超球理論」に依拠している。
(超球理論: http://www004.upp.so-net.ne.jp/nando/physics2/wabun.htm )
さて。この解答に従うと、(虚数次元に)巨大なエネルギーがあったことになる。その巨大なエネルギーは、どこからもたらされたか? それが新たな問題となる。
この問題については、次の仮説で答えよう。
「ビッグバン以前には、巨大な宇宙が収縮した。非常に重たいブラックホールができて、宇宙の全体が一点に収縮した。最終的に収縮したあとで、そのエネルギーのほとんどすべてが、虚数の次元に移った」
つまり、次の図式のようになる。
現在 ← ビッグバン ← 虚数次元の ← 巨大ブラックホール
の宇宙 (実数次元) 巨大エネルギー の収縮(別の宇宙で)
● * ・ ・
要するに、こうだ。
初めに、別の宇宙で、その宇宙がどんどん収縮した。最終的には一点に収縮した。そのとき、ブラックホールの爆発が起こった。ただし、ブラックホールの爆発は、その宇宙の実数次元では起こらず、虚数次元にエネルギーが移転するという形で起こった。その虚数次元のエネルギーが、ふたたび実数次元に戻った。そのとき、新たに、宇宙が生じた。それが現在のわれわれの宇宙だ。
このシナリオによると、宇宙は爆発と収縮を繰り返している、ということになりそうだ。
ただし、従来の同種の仮説と異なるのは、次の二点だ。
・ 爆発の際に、虚数の次元を経由する。
・ 爆発の前と後とでは、どちらも実数次元になるが、
その実数次元は同じ実数次元だとは言えない。
比喩的に言うと、宇宙は「生まれ変わる」のである。
従来の同種の仮説だと、一つの宇宙が収縮したり爆発したりした。行ったり来たりするようなものだ。
しかしここで述べた仮説では、収縮したり爆発したりするたびに、別の宇宙に生まれ変わる。
《 後日注記: 以下の記述は、あとで取り消されます。 》
この二つの仮説では、どちらにしても、現在の宇宙は、ひょっとしたら、5回目の宇宙かもしれない。そこまでは似ている。ただし、そのあとが違う。
前者の仮説では、以前の宇宙において、あなたにそっくりな人が生まれていたかもしれない。あなたの人生は、過去のあなたの人生を、ただなぞっているだけかもしれない。あなたの人生は、ひょっとしたら、ただの数式通りのものかもしれない。昔の宇宙を見れば、今後のあなたの人生も、わかるかもしれない。
後者の仮説では、現在の宇宙は、たとえ5回目の宇宙だとしても、まったく新たな次元におけるまったく新たな宇宙だ。あなたの人生は、たった一回限りのものであり、過去にもなかったし、未来においてもないものだ。つまり、かけがえのないものだ。
私としては、後者の仮説の結論の方が、エレガントだと感じる。それゆえ、私はこの仮説を信じたい。
《 修正 》
すぐ上の記述では、「宇宙は何回も生まれ変わる。現在の宇宙は5回目かも」というふうに述べた。しかし、あとで考え直して、これを否定する。
すなわち、「生まれ変わる」ということ自体は否定しないが、その回数を1回限りに修正する。
つまり、収縮と爆発を何度も繰り返すのではなく、収縮と爆発は1回だけある、と見なす。
そして、その1回が、ビッグバンだ。
2006年06月28日
◆ ビッグバン以前
posted by 管理人 at 20:40
| Comment(4)
| 物理・天文
超球理論では、真空は、何もない状態ではなくて、超球が充満している状態です。
比喩的に言えば、真空は、空気が充満している状態です。空気が透明であるせいで見えないように、真空も透明であるので見えません。しかしそこには超球が充満しているのです。
真空は何もない空間ではなくて、超球で充満した空間です。これが宇宙です。
一方、宇宙の外側には、超球が充満していません。そこは何もないので、定規さえも意味をもちません。したがって何を考えるのも無意味です。
比喩的に言うと、空っぽという概念は、
( )
のように、カッコだけがあって中身がない状態です。
一方、カッコがなければ、何もないということ自体がわからないので、何を考えるのも無意味です。
> その有限な空間の外側とはどうなっているのでしょうか
二は、「外側」というものを考えること自体が無意味だ、というふうに答えられます。外側なんてものは、ないのです。
外側を考えるのが無意味…つまりどこまでいっても境目は無いのでしょうか???
そのかわり「最前線」ならばある。
では、最前線の先は? 「先」という概念が成立しないので、「わからない」としか答えようがないですね。
「Aはどうなっていますか?」
という質問に対して、
「Aという概念が成立しないので、その質問自体が無意味」
と答えるしかありません。
それでも、本質的に言えば、「わからない」ということです。
もうちょっと面白く言えば、「わからない、ということが、わかっている」というふうになります。「無知の知」みたいですね。
何だか禅問答みたいですが。