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社会

家族拒否でも救命措置 神戸市消防局が指針策定へ

 神戸市消防局は五日までに、病気などで終末期を迎えた患者の救急対応について、家族が心肺蘇生(そせい)や薬剤投与などの処置を拒否しても、「一一九番通報があった時点で救命の意思があるものとして最善を尽くす」とする指針をまとめることを決めた。消防庁によると、終末期医療について救急現場の対応が明文化されるのは珍しいという。同局の担当者は「長年グレーゾーンだった部分。なるべく早く現場に徹底したい」としており、本年度中の指針策定を目指す。(岡西篤志)

 同局によると、通報を受けて隊員が現場に駆け付けたにもかかわらず、患者の家族から「救命処置をしないでほしい」と言われる事案が月に一件以上はあるという。そのほとんどが、高齢で在宅医療を望んでいる患者のケース。これまでトラブルになったことはないが、一定の指針を設けることで、現場の混乱を避けるのが狙いだ。

 終末期患者の救命処置をめぐっては昨年三月、富山県の射水市民病院で医師が患者の人工呼吸器を取り外したことが問題となるなど、医療現場で混乱が生じている。

 こうした問題を背景に、厚生労働省は今年五月、延命治療を望まない旨の患者本人の文書などがあることを前提に、患者意思の尊重を主体とした指針を発表。さらに十月には、日本救急医学会が人工呼吸器の取り外しを容認する指針を決めた。

 しかし一刻を争う救急現場では、隊員が延命処置中止を判断するための条件や時間は限られており、同局は、家族が患者の救命処置を拒否しても、処置の中断は死につながり慎重な判断が必要▽救命を拒否する患者の事前の意思が現在まで継続しているかどうか、また家族が患者の意思を示したとしても事実かどうかを確認するために時間が必要▽家族の範囲が明確でない-などの点から、現場活動において患者の意思確認は困難と判断した。

 一方、こうしたケースのうち、患者本人がかかりつけの医師に事前に延命拒否を告げている場合の対応については、詰めの検討を進めている。

(12/6 09:39)

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