▽国などへ提出の方針
呉圏域での産科医療の集約化問題で、呉市議会は五日、医師不足の解消により安心して出産できる病院体制を維持することや医療ネットワークの構築などを求める意見書を、国などに出す方針を固めた。
意見書は、産科医師や看護師不足の実態を受け、ニーズに適応した地域医療体制の確保を強く要請。医師らの養成と派遣、安心して出産できる病院体制の維持、勤務実態に即した診療報酬の充実などを求めている。
この日の代表者会議で同志会が意見書案を提案。各会派は、おおむね賛成だったという。提案議員の一人は「集約化ではなく、これまで通りの公的三病院体制が最善。医師の確保や病院間の機能分担が急務だ」とし、「広島大だけでなく他の大学からも医師を派遣してもらえるよう、市が働き掛けを強めてほしい」と訴えている。
意見書案は、各会派の意見や要望を集約して十三日の代表者会議で正式にまとめ、十四日の本会議で可決される見通し。福田康夫首相や舛添要一厚生労働相、衆参両院議長らに提出する。
市議会では三、四日の定例会一般質問などで、市議らが、広島県と広島大が提案した集約化への反対や疑問、産科の病院が減ることへの不安の声を上げた。小村和年市長も「集約化しなくても済む方向を目指し行政も最大限の後押しをする」と呉共済病院の産科存続を前提にした三病院体制維持に強い期待を示した。(吉村明)
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