五十音索引 |
あ | い | う | え | お | か | き | く | け | こ | さ | し | す | せ | そ | た | ち | つ | て | と | な | に | ぬ | ね | の | は | ひ | ふ | へ | ほ | ま | み | む | め | も | や | ゆ | よ | ら | り | る | れ | ろ | わ | ゐ | ゑ | を | ん |
あんこ @店頭用に全集叢書類を積み上げるさい、重心崩れを防止するためにはさむ間紙。主として新聞紙を用う。 A和本などで袋とじの袋のなかへ、ツカを厚くみせるためにはさみこむ入れ紙。 B一括売り(一口もの)などの生ぶ荷の中へ、柄が良くて市価の安いものを突込んで売る本のこと。 |
いちば 【市場】 古書組合に加入している業者だけが古書を売買できる市場のこと。交換会、古本市とも云う。ちなみにブックオフなどチェーン店は古書組合に入れないので、市場にも参加できない。 いれほん @セットものの欠巻(号)を埋めて完揃とすること。足し本ともいう。 Aいろいろの版がある場合、他の版で補い、内容だけを揃いにすること。 |
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おおぞろい 【大揃】 別冊・増冊・索引などを伴う複雑な構成の全集叢書類が「完揃」となっているときに強調的に用いる。 おきにゅうさつ 【置入札】 入札方法の一種、入札する本に袋をつけて並べておいて、希望の値段を書いて袋に入れ、開札して最高値の人に落札する方法。 おしめ 【押目】 相場が安くなること。 おとす 落札する。 おまんじゅう 【お饅頭】 香典返しに故人の遺稿、伝記、追憶談などを編集して出した出版物、広く記念出版物を含めて饅頭本と呼ぶこともある。 おみや おみやげ。古本市で、地元業者と他地方業者が同値落札の場合、他地方の業者にその荷を譲ること。 おやびき 【親引】 市場において出品者が希望の売値が得られずに引取ること。 おんらいんこしょてん 【オンライン古書店】 インターネットで古本を売買するHPサイトを持つ古本屋さん。個人運営サイトが多く、新着情報やエッセイ、メールマガジンなど、ユーザーを飽きさせない工夫もなされている。 |
かずもの 【数物】 出版社が経済的理由等で返品、ストック等を原価を無視した値で大量に放出した本、ゾッキ本、見切本と同義語。 かすとりざっし 【カストリ雑誌】 昭和二十年代、終戦後に発行されたエログロ雑誌。「カストリ」とは当時飲まれていた焼酎で、三合で酔いつぶれるといわれるほど強かったが、それにかけて「三号で廃刊になってしまうような雑誌」をこう呼んでいた。 がせ ニセモノ、贋造品。 かたいほん 【硬い本】 文芸書、軟派物に対して学術、専門書えおいう。 かんかん相場 屑物屋の相場。書籍雑誌を貫目によって評価すること。 |
グラシン紙 化学パルプを原料とした紙に光沢をつけ半透明に仕上げた薄紙。書籍のカバーとして使用される。すべての本にグラシンをかけている古書店もなかにはある。 くろっぽい 刊行後、経過年数の長い絶版本。いまだ日が浅く、定価で入手可能な本は「白っぽい」と称す。(黒っぽい店。白っぽい店) |
げそる その本の相場値で買える本を下げた値につけること。 けつ 【欠】 欠本や欠号を指すが、カバー欠、函欠というようにも使用される。 けんていぼん 著者が献呈先、献辞等を書いて送った書物。 |
こしょくみあい 【古書組合】 各都道府県ごとに古書店が結成している組合のことを指す。各地の古書組合が連合して、全国古書籍商業協同組合連合会(全古書連)が組織されている。 こしょまにあ 【古書マニア】 本を読むことではなく、集めることを目的に購入するヒトたちは「古書マニア」と呼ばれている。古書展など行くと目撃できる。 こすぷれてんいん 【コスプレ店員】 アニメの人気キャラに扮したコスチュームを着ている古書店員のこと。マンガ専門古書店・まんだらけなどで見かけることができる。 こはん 【古版】 昔の木版本、古活字本の総称であるが、業界では新版に対する元版の意味に用いることがある。 こみ 一括にする意、玉石混淆。いろいろな本を一括で買う、あるいは売るときに用いる。 ごみ ほんらい雑本を意味するが、市場では一山いくらで取引される本をさす。多くは店頭の客よせ用に均一本として売られるが、廉価ながら顧客の求めによって探求中であった本が含まれていることも多い。 こむかい 【籠む買】 市場へ出品するために持参した本を市場を通さずに業者同士で売買すること、一種のウラ取引き。 |
したみ 【下見】 大規模な入札市において、出品目録のうちから目ぼしいものを展示し、初版、後版、保存の良否等につき、入札希望者の検討にゆだねること。このような形式を「展観入札」といい、デモンストレーションの意味もある。一般下見、業者下見がある。 しなぶれ 【品触れ】 盗品の触れ書で、所轄警察署あるいは本庁より各業者に配布される。 しゅっちょう 【出張】 業者が買入のため遠方の顧客の家へ赴くこと。出張買入。 しょたれほん 商品価値のない棚ざらし本。 しょはんぼん 【初版本】 出版された書籍の最初の版、第一版を「初版」と呼ぶ。文芸書などの初版本には付加価値がついて高値になっているものもある。 しょめいぼん 【署名本】 著者が自分の著書に相手と自分のサインをした本。自分のサインのみを署名した本もある。サイン本ともいう。 しょひ 【書皮】 中国語では「ブックカバー」をこう呼ぶ。書店がブックカバーをかけるという習慣は日本独特のもの。書皮を蒐集する愛好家も増え、「書皮友好協会」なる団体も存在する。 しりょうもの 官公庁、学会、会社等の出版物で主に非売品として配布された文献類。 しんこしょてん 【新古書店】 大部分が新刊の本、つまり「白っぽい本」を販売している古書店のことで、フランチャイズチェーン方式で展開している。ブックオフ、ブックマーケットなどがある。 |
ぞうしょいん 【蔵書印】 書物の所蔵を明らかにするために蔵書に捺した印影。最古の蔵書印は奈良時代にまで遡る。江戸時代までは、寺社や特権階級など、限られた者しか使用することはなかった。しかし明治以降、書物が一般に流通するようになると、市井のなかにも蔵書家が出現し、趣向を凝らした多種多様な蔵書印が考案され、用いられるようになった。 →「蔵書印の世界」 ぞっき もと特価本の一種をさし、在庫本の捨値処分品を指したが、現在では特価本の総称となりつつある。 ぞっきぼん 【ぞっき本】 出版社が倒産したり経営が苦しくなった際に、安値で投げ売りされる新刊本。特価本を専門に売る本屋で見つけることができる。 |
たてば 廃品回収業者の集荷所。製紙原料として処分された貴重文献が発掘されることが多い。ここを巡回する業者を「たてばまわり」という。 |
てどり 【手取】 荷主のつけた値段に売歩の5%をつけて買上げること。 でなおり 【出直り】 せり市で落とした書物が落札者の思いちがいや知識不足、あるいは落丁などの欠陥が発見された場合、取り消して戻すこと。関西にはない商慣習。一方、大部の全集叢書類などに少量の瑕僅があった場合でも出直りを認めぬ方式を「死にきり」という。 てはんもの 【手版物】 小売店、卸屋が出版した本。 でもの 売り物。 てんとうかいいれ 【店頭買入】 店舗(営業所)において顧客の持込品を評価、買入れること。顧客は身分証明書の提示、所轄警察署の要求する買入表への記入が要求される。店買い。 てんらんかい 【展覧会】 展示即売会の略で、正しくは古書卸売展というが、「古書店」と混同されるためか、俗にこの言い方が一般化されている。即売会と同義語。 |
にまいふだ 【二枚札】 入札会において、入札用紙に二種類の価格(上札・下札)を記入させる方式。上札・下札とも他の競争者より高い場合は下札の方に落ち、上下の中間に他者の上札が入った場合は、自分の上札に落ちる。現在は普通一点三千円以上の書物に用いられ、三万円以上に三枚札、十万円以上に四枚札、大市などではとくに五枚札が使用されることがある。 にゅうさついち 【入札市】 用紙に価格を記入して最高値をせる方法。置入(おきにゅう)と回し入札の二種類がある。前者は展示された書物を値ぶみして、添付の封筒に入札する方法。後者は盆あるいはレール上に回される書物をよく見て同じく添付の封筒に入札する方法である。 |
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ふっこく 【復刻】 発行後相当の時日を経た絶版本を、写真技術により複製したものも含めて復刻本と呼んでいる。原紙型より再刊したものは「復刊」とすることが多い。新たに活字を組んだものを「復刻」と称するが、多くはコストの点でオフセット印刷が多い。 ふりいち 【振市】 振手の発声に、上値をのせてせりあげ最高値に落とす方法。 ふりて 【振手】 振り市で入札者に書物を示し、発声する役。進行の能率をあげるため、相場に近い価格を読み、入札者の発声をうながし、適当なところで落札値を決定する。このため書物の相場に対する深い知識を要する。 ふるほん 概念的には出版後時日を経た「オールド・ブック」のことであるが、実体としては一人あるいはそれ以上の持主により所有されたことのある「セカンド・ブック(セコハン)」。新刊書に近いもので、絶版書や時代の古い古書として使い分けることもある。 |
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みずいりぼん 【水入本】 雨、海水その他の水分をかぶった本。 みせうり 【店売り】 通信販売や展覧会出品、学校・図書館等への売りこみなどの外売に対し、自店の店頭売りを指す。 みせばん 【店番】 古本屋さんが帳場にいて客の対応をすること、または人を指す。ひとりでお店をやっている古本屋は、ずっと店番をやってなくてはいけないので、ゴハンはお弁当、トイレもおちおち行ってられないという悲惨な実態も。 |
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◎「古本用語辞典」は、古書モダン・クラシックが作成しております。 ◎「東京古書組合五十年史」(東京都古書籍商業協同組合)、「本の街 神保町古書店案内」(PIE BOOKS)を底本とし、独自に調べたものなどを織り交ぜております。HPから引用させていただいた場合は、出典(当該HPアドレス)を明示いたします。 ◎今後も新たな用語などが判明しだい、逐一更新して参ります。 ◎ご意見・ご感想はコチラまでお願いいたします。 |
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