福岡・筑前 三輪中いじめ自殺事件

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いじめ対策、教委やり玉 再生会議で改革論、「隠蔽」との批判(朝日新聞)

いじめ対策、教委やり玉 再生会議で改革論、「隠蔽」との批判

 25日に第2回会合が開かれた「教育再生会議」で、社会問題となっているいじめの問題を重要テーマとして取り上げ、具体策を提示することを確認した。相次いだいじめ自殺事件で不手際が目立った「教育委員会」の制度見直しが柱のひとつとなる。教委をめぐっては、民主党が提出している教育基本法改正案の対案では廃止を打ち出している。25日に衆院特別委員会で趣旨説明があった同法改正案の審議でも論議になりそうだ。

 山谷えり子首相補佐官は25日の記者会見で、第2回会合でいじめ対策に取り組むことを決めたことを説明し、「教育委員会、家族、地域社会の連携のあり方」を検討課題として例示した。
 北海道滝川市と福岡県筑前町でのいじめ自殺事件で、いじめに教委が向き合っていないのでは、という疑念が深まっていることが背景にある。
 「学校、町教委、県教委のパイプが機能せず、連携ができていない」「教育行政の構造上の問題も考えなければならない」。25日の会合後、その足で筑前町を訪れた義家弘介・教育再生会議委員は教委改革の必要性を強調した。義家氏は18日の初会合でも「教委と事務方、組合がつながって隠蔽(いんぺい)がはびこっている現実がある」と指摘した。教委で問題が解決できないなら、政府が介入せざるを得ないとの考えだ。

 ●強化の意見も
 教委の見直しが必要だとの認識は、会議委員の間で強まっているが、考えは一様ではない。
 京都市教育長の門川大作氏は記者団に「学校現場に権限を移譲していく。同時に、教委は専門性を高めて説得力ある指導をしないといけないので、責任は重くなる」と語った。伊吹文部科学相も第2回会合で教委見直しに言及。文科省は、教委を強化すべきだとの立場だ。佐田規制改革担当相も政府の規制改革・民間開放推進会議に対し、「教委の強化」を検討するよう求めている。

 ●民主は「廃止」
 これに対し、「教委不要論」も出ている。
 安倍首相側近の下村博文官房副長官は16日の講演で「教育行政は文科省、都道府県教委、市区町村、学校現場の四重構造で、もたれ合い、無責任だ」と主張。「現場に任せ、メリハリある制度が必要だ」として、教委廃止も視野に入れた大幅な見直し論を展開した。
 ただ、教委の廃止論まで踏み込むと、30日から本格審議に入る教育基本法改正に影響を与える可能性もある。
 民主党が対案で、教委の廃止を打ち出しているためだ。同党は公立校の運営は保護者、住民らが参画する「学校理事会」が担うことを提案。教委の見直しに触れていない政府案を「学校現場がどう変わるか見えてこない」と批判している。

 ◆キーワード
 〈教育委員会〉 地方教育行政法に基づき、全都道府県と市区町村に設置されている。委員は首長が任命するが、政治的中立性を確保し、広く住民の意向を反映するため、独立した合議制の行政委員会となっている。
 文科相の諮問機関である中央教育審議会は昨年10月の答申で、教委の「機能の強化」を求めながらも、「会議が形骸(けいがい)化、国の方針に従う縦割りの仕組み、責任の所在が不明確、迅速な意思決定ができない、などの問題が指摘されている」と記している。

■再生会議各分科会のテーマ
第1分科会:学校再生
 (主査、白石真澄・東洋大教授)
○基礎学力・学力向上
○教員の資質向上・教員免許の更新制度
○教員評価・学校評価・学校選択
○学校運営協議会など開かれた学校づくり
○教育委員会など教育行政
○教育内容・教育課程など

第2分科会:規範意識・家族・地域教育再生
 (主査、池田守男・資生堂相談役)
○心の教育、伝統・文化の教育
○規範意識、規律
○体験活動、読書
○家庭教育
○生活習慣
○家庭・地域との連携

第3分科会:教育再生
 (主査、川勝平太・国際日本文化研究センター教授)
○高等教育
○産業界などを含めた公教育に対する支援
○教育バウチャーなど教育制度
○9月入学、大学入試など入学、卒業に関する制度
○国際化

朝日新聞 10/26

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