おしゃべりなマダム

ルーキーを連れてのお散歩コースは、朝、夕と違う。
今日はいつもの時間帯がズレて、お昼近くの時間に夕方コースに出かけた。
すると最近会わなくなっていた、柴犬のモコちゃんと会った。
帰り際だったけど、久しぶりだったので車から降りて(散歩なのに目的地まで車で行く怠け者です)、立ち話をした。

モコちゃんは捨て犬だった。元の飼い主に虐待を受けていたらしくとても臆病なワンコだ。
今の飼い主さんは、猫を飼っているので、警察に届け、明日は保健所！と言う時に一大決心をして引き取った優しい飼い主さんだ。

とてもおっとりとしたモコちゃんママだ。
引き取られた時は、頭のデカイ身体はガリガリのバランスの悪いモコちゃんだった。
愛されて育つという事は、こんなに表情が美しく愛らしくなるのかしら？と言うほど美人さんになった。
私の知っている、柴犬の中で一番綺麗でバランスが良いと断言できる。
そのモコちゃんがママに対する忠誠心はスゴイ！

餌を見せられたら誰にでもホイホイ付いていく我家の風見鶏の隠居犬とは大違いだ。

決してママ以外には自分を触らせない。
ママが話始めると、傍に寄り添ってお座りをして待っている。
隠居犬の様に大股開きで大の字になって寝そべったりはしない。全く飼い主は恥ずかしい・・
モコちゃんママはそんなルーキーに言った。

「ルーキー爺さんはいいわねえ。ママに似て天真爛漫にどこまでも伸び伸びできて・・」

モコちゃんママは私を誤解している。
私は何処までも繊細で傷つきやすい心優しい人間だ。
モコちゃんママのように、ペットショップに出かけて、
「動物を、命を売って商売するもんじゃありません！」

と、店主を捕まえて説教は、私、とてもできません・・・。