おしゃべりなマダム

久しぶりにシーサー先生と出くわした。

「あっ！」
「おっ！」
私達の互いの反応は犬並だ・・。

前回の車爆発の様な動きを一緒に見たのが最後だったので、会った時にどんな顔をすりゃあいいんだ！
と、一人妄想の世界に入り込んでいたオバハンにすれば、コッパズカシイものがあったのだが。
まあ、なんてこたあないのね。

「今日はルーキーと一緒ではないんですね？」と聞かれた。

「ルーキーしか私の相手がいないみたな言い方ね。」と言ったら

「だって、ワンセットの印象だから」と返された。・・・・当ってる。

しかし、今日もバリバリに決まったファッションだ。
まじまじと見たら背が随分高いのね？
この間はカウンターに並んで座って、私と同じような座高だったから気付かなかったわ。
という事は、足が長い！んん？私が胴長？んなあこたあないやろう〜
以上は私の心の中で自問自答です。

パッと見は獣医さんに見えない。
全体の獣医さんの私服を知らないからだけど・・。

仕事が決まったのか聞いたら、先輩の動物病院を手伝っているという。
「へーっ、その病院なら、一度行ったことがあるわ」と言ったら

「何で一度なんですか？」と来た。
「いや、私と相性が合わないかな？と感じたから」と答えた。
すると、
「あー、二人とも似てるかもしれない。言い出したら一歩も引かない所？」

なんで、こんな若造にそんな風に見られるんだ？わたしゃ引く所は引くさあ。と心の中で言ってみる。

すると「でもお二人とも人好きですね」
「それはフォローしてるのか？面倒見が良いと言いなさい！全く、動物相手にしていると、人間との会話が下手くそになる。」
と言ったら
「相変わらず口が悪いですね」と来た。・・・私は口が悪いのか？気付かなかった♪

今から老犬の往診に行く所だという。同じ方向なので道すがら歩きながら話した。

私が今、気になっているワンコがいるのだけれど、年老いたルーキーにとって新参者が来る事は負担だろうか？と聞いたら

「ルーキーが５，６歳の頃だったら、力を見せつけてボスとしての統率を図るかもしれないが、14歳という年齢には、孤独を増長させてストレスを感じるかもしれない。
余程相性が良くて、ルーキーがメスだったら多少は違うかもしれないけれど。
それに、相当な仲の○○さんとルーキーじゃないですか。犬はヤキモチ焼きと嫉妬の強い動物ですから、
病気になってしまうかもしれませんよ。
もしかして、ルーキーが居なくなった時を考えて？」

図星だ・・・。「はーーっ」と溜息をついたら、「溜息までルーキーと似てるんですね。」と笑われた。
いつの間にルーキーの溜息を聞いたのだ？
ルーキーは絶妙のタイミングで溜息をよくつく犬だけど。

しっかし、これで私が想っていた事を、はっきりと断言してもらった事で決心がついた。
ルーキーとの別れの時がきたら、一人で耐えよう。

あの一ヶ月足らずで親元から引き離されて、ウィンドーに一人ぼっちで飾られているワンコに、優しい飼い主が見つかるように毎日足を運んで飼い主を見極めよう！