未払い金などの問題が発覚したのは、倉敷市連島町西之浦の特別養護老人ホーム「オレンジヒルズ」です。倉敷市によると、おととし2月に開設されたこの特別養護老人ホームは、入所者から給食費を徴収しているにも関わらず、開設当初から給食委託業者への支払いが滞り、今年6月末の段階で、およそ5000万円の未払い金が発生しているとのことです。また、この老人ホームの理事長が院長を務める医院と業務委託の契約をし、嘱託医報酬として、一般の特別養護老人ホームと比べ、2倍近い給与が支払われているほか、勤務実態がない親族らに対しても、給与を支払っていたということです。倉敷市では、施設の開設以来これまでに4回にわたる監査で文書による改善指示を行ってきましたが、改善されないため、今年8月に県と合同で抜き打ち監査を実施し、この老人ホームに対し今月28日までに改善結果を提出するよう求めています。倉敷市では、改善結果を受け年明けにも施設の監査を行いますが、改善措置が講じられない場合、市として初となる業務改善命令を出すことも検討しています。
倉敷市役所を訪れたのは、岡山地方法務局青木敏明倉敷支局長と人権擁護委員協議会の会長それに、人権イメージキャラクターの「人KENあゆみちゃん」と「人KENまもる君」です。青木倉敷支局長は、「社会問題となっているいじめや児童虐待、女性への暴力などの人権被害を無くしていくためにも人権尊重の心を育てる啓発活動にご協力をお願いします。」と協力を要請しました。倉敷市の古市市長は、「互いを思いやり尊重しあう心の大切さを訴えながら今後も地道な啓発活動に協力していきます。」と応えていました。今年の人権週間は、「育てよう一人一人の人権意識」などをテーマにさまざまな啓発活動が全国で展開されます。岡山地方法務局倉敷支局では、街頭啓発キャンペーンを各地で繰り広げるほか3人の弁護士による無料の人権相談会を今月9日(日)に倉敷駅西ビル6階で開くことにしています。
これは、玉島警察署が小学校からの要請で開催したものです。体育館では、全校児童139人が不審者から身を守るための寸劇を鑑賞しました。寸劇では、不審者と一定の距離を置くことや不審者が車の場合、車の進行方向と逆の方向に逃げることなどが紹介されました。続いて防犯合言葉の「イカのおすし」が紹介されました。イカのおすしとは、「行かない・乗らない・大声をあげる・すぐに逃げる・知らせる」の5か条です。児童らは、不審者に声を掛けられてもついて行かないことなどを学びました。最後は、全員で「イカのおすし」のダンスを踊り自分の身を守る5か条を体全体で覚えました。玉島警察署生活安全課によると今年に入ってから昨日までに児童への声かけや付きまといが42件あったということで呉妹小学校では、警察や地域住民と協力しながら子どもの安全を守りたいとしています。
倉敷市コールセンターの愛称は、気軽に何でも相談して下さいという思いを込めた倉敷市玉島柏島の赤澤 芳雄さんの「倉敷なんでもコール」に決まりました。倉敷市役所で行われた表彰式では、最優秀賞の赤澤さんに倉敷市の露無 紘副市長から表彰状が贈られました。コールセンターの愛称募集には、112件の応募があり、最優秀賞のほか優秀賞に、「倉敷おしえて!コール」を考えた東富井の永井 朋子さんと「倉敷いつでもコール」を考えた茶屋町の佐藤悦子さんが選ばれました。「倉敷なんでもコール」は、倉敷市老松町のNTT西日本倉敷支店内に設置されます。16人の専門のオペレーターがごみの出し方や、各種手続きの方法などこれまで市に多く寄せられていた問い合わせに回答するほか、市制に対する提言なども受け付けます。コールセンターは、1ヶ月間の試験運用の後、来年3月から本格運営となり、市民からの問い合わせに午前8時から午後9時まで年中無休で対応します。
参加したのは、倉敷市酒津・水江・安江など用水沿いの各町内の農業土木委員で作る「清流会」のメンバーです。5月に続いて今年2回目の清掃活動です。参加者らは、用水路に入り捨てられた空き缶や空き瓶などを拾い集めたほか護岸に生えている雑草をカマで刈り取っていました。場所によっては、雑草が生い茂っている所もあり参加者らは、2ー3人がかりで除草作業に励んでいました。清流会によると、ここ数年間、南部用水の上流部分で管理が手薄となっていたため今年から力を入れて清掃することを決めたということです。清流会では、来年の田植えシーズン前にも大規模な清掃活動を実施することにしています。
絵画に使われる額縁。その装飾部分は、一般的に木や石膏でできています。しかし、児島虎次郎の絵画作品については、張子ように紙でできている額縁が多くあります。吉備国際大学文化財学部の大原秀之教授が絵画の修復を行った際に紙製の額縁に気づき研究を続けています。紙製の額縁から何が分かるのか。「紙製張子額の謎」というのが今回の企画展のテーマです。額縁を研究することで児島虎次郎の交友関係や絵画制作へのこだわりが見えてきます。ポイントになるのは、「劇の人物」という作品。ヨーロッパ留学を終えて帰国した虎次郎が国内で初の個展を開いた時に出品された作品の額縁の裏に「磯谷商店」という文字が見えます。磯谷商店は、当時、国内唯一の額縁専門店で虎次郎が特別に注文して作らせた額縁であることが分かります。虎次郎が作らせたと思われる額縁は、10種類以上ありある共通点があります。それは、額縁の裏に記された「K」の文字。これが児島のイニシャルの「K」だとすれば、虎次郎は、自分好みの額縁を数パターン注文するなど額縁に対して相当なこだわりを持っていたことが推測されます。もともと紙製の額縁はヨーロッパで作られたと見られており留学中の虎次郎が気に入って日本に持ち帰っていたことが推測できます。しかし、なぜ虎次郎がそれほどまでに紙製の額縁を気に入り多用したのかについてはまだ詳しく分かっていません。大原教授らは、額縁を手がかりに過去を紐解いていくことで新たな発見があるかもしれないと期待を寄せています。この企画展は、24日まで加計美術館で開催されています。
作品展を開いているのは、倉敷芸術科学大学芸術学部で油彩画を学び現在、パリを拠点に創作活動をしている若手洋画家小松毅さんです。今回の個展は、パリでの3年間の成果を発表するもので、「ヨーロッパを描く」と題し、サムホールから30号までの油彩画30点を出品しています。小松さんは、光を意識した風景画に取り組んでいて港町オンフルールやセーヌ川、モンマルトルの街、ムーランルージュの風車などパリの町並みを淡いタッチで描いています。小松毅さんの個展は、今月9日(日)まで倉敷市本町のギャラリー十露で開かれています。