5日午前3時30分ごろ、各務原市尾崎西町の県営尾崎団地B―6棟の運転手田原陽子さん(35)方から出火。斜め下の4階に住む介護士延安重佳さん(27)の家族が、煙から逃れようと、長女芽花ちゃん(2つ)をベランダから投げ降ろしたが、下に居た人が受け止めきれず約10メートル下のアスファルト面に落下し、脳内出血で重体。

 各務原署の調べでは、延安さんの家族は、火元の田原さんの玄関にあった灯油の入ったポリ容器3缶が火災で溶けて、灯油が階段に流れて炎上したため、逃げられなくなった。ベランダに避難した家族は、下で見上げていた数人の住民が「危ないからやめろ」などと制したが「助けて」と芽花ちゃんを投げた。住民らは芽花ちゃんを抱き留めようとしたが、周囲が暗く受け止めきれなかったらしい。芽花ちゃんを投げた後、煙が引いたため、家族は、階段から逃げたという。

 火災は、鉄筋コンクリート5階建て5階の田原さんの部屋約65平方メートルを焼いて約2時間後に消えた。田原さんの長男(14)が、息苦しくて起きたところ、電気ストーブの火が布団に燃え移っていたという。田原さんは仕事で留守。留守番をしていた長女(11)と長男が煙を吸ったが、けがはなかった。