【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)は5日、2008年の経常収支が通貨危機に見舞われた1997年以来、11年ぶりの赤字に転落するとの見通しを発表した。米国の景気減速と原油高で貿易黒字が減る一方、サービス赤字が拡大するとみられるためだ。経済成長率も4.7%とやや鈍化する見通しで、世界経済の減速懸念が韓国にも及び始めた。
韓銀の「2008年経済展望」によると、経常収支は07年見込みの65億ドル(約7100億円)の黒字から、30億ドルの赤字を予想する。
貿易収支は260億ドルと同55億ドル減る見込み。輸出の伸び(11.6%)を輸入の伸び(13.4%)が上回るためだ。輸出は新興市場向けに好調が続くが、信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した米国景気の減速で米国向けが鈍化するとみる。
サービス・所得・経常移転収支は海外旅行や留学の増加で赤字が40億ドル増え、290億ドルに拡大する見通しだ。(21:01)