北京――中国外務省の報道官は4日、同国の国家機関が英国企業のコンピューター通信網に不正侵入し機密情報を不正入手しているとする英紙タイムズの記事に触れ、「無責任かつ事実でない報道」と非難した。
同紙は、英情報機関M15の責任者が銀行、会計や法律各会社の警備担当幹部約300人に書簡を送り、中国国家機関が電子メールを用いた不正侵入を実施している可能性を指摘したと報道。
中国外務省報道官は同国政府はハッキング行為に反対しているとの立場を示し、英メディアが不正確な情報を流しているとして批判した。
今年6月に就任したブラウン英首相は来年1月に初の訪中を計画している。中国による欧米のコンピューター通信への不正侵入では今年、人民解放軍が米国防総省、英議会、ドイツ首相府に仕掛けたとする報道が続出。中国側はこれを否定し、逆に自らの通信網が被害を受けたことがあると反論していた。