鉄の処女

<鉄の処女>

中世ヨーロッパで使用された拷問具の中で最も悪名高い、「鉄の処女」。
現在、大きく分けて2つの型が見つかっている。

1.ドイツのニュルンベルグ秘密法廷地下室で使われていた型。
外観は女性の立像をかたどり、頭部と胴体部から成り立っている。
胴体前面部にある両開きの扉を開けると、中は空洞になっており、内側に鋭い鋼鉄の針が見える。
この中に容疑者を入れ扉を締めると、鋼鉄の針が容疑者の体を突き刺す。
2本の針が両目を貫き、心臓や頚動脈のような急所をはずすように配置された針が体を貫く。
容疑者は即死することなく、「鉄の処女」の中で数日の間、苦痛に耐えなくてはならなかった。
死体は底にある落し戸から地下の水の中へ捨てられたと言う。

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鉄の処女

2.スペインのトレド異端審問所地下拷問室で発見された型。
絹の衣装を身にまとった聖母マリアをかたどった、木製の立像である。
「悲しみの聖母」と名づけられたこのマリア像は、腕と体の前面に鋭い釘や刃物が仕込まれており、腕の関節は機械仕掛けで動かすことができた。
容疑者が、この像の前に立つと、両腕が開き容疑者を抱きしめられ、体中が血まみれとなった。
さらに、マリア像の両目から飛び出した刃物が容疑者の両目を刺し、胸から飛び出した鋼鉄の刺が心臓を貫いた。
そして怪力のマリア像は、容疑者が窒息するまで強く抱擁するのであった。

しかし、「鉄の処女」については残念な(笑)学説が存在する。
それは、ニュルンベルグで見つかった「鉄の処女」には殺人針がついてなく、もともと、「鉄の処女」は単なる鉄製の箱で、名誉刑(容疑者をさらし者にする)の道具であり、「殺人針が両目と全身を突き刺す」と言う風説は、人々の刑罰に対する好奇心?が生み出した空想ではないかと言うものである。

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この説については、私もそうじゃないかとは思いますが、そりゃア、夢がないってものですよ。(笑)