大学生、脳の血管検査後に重い後遺症
東京・港区の大学病院で、23歳の男子学生が脳の血管の検査を受けた後、重い後遺症が残っていることがわかりました。警視庁は、業務上過失傷害の疑いもあると見て慎重に調べています。 東京・目黒区に住む私立大学4年の23歳の男子学生。男子学生は手足がしびれたり目が見えにくくなったため、去年5月、港区の大学病院に入院しました。 病院で「多発性の脳梗塞の疑いがある」と診断され、血液の流れをみるため、動脈にカテーテルを入れて脳血管の中に造影剤を注入する検査を受けました。しかし、その過程で、男子学生は異変を感じたといいます。 「上にいくよって言われた瞬間から急に喉の奥がしびれる感じがして、これはヤバイと思って、医者に言おうとしたら、言葉が出なかった」(男子学生) 新たに、脳梗塞を起こしていたのです。しかし、担当の医師は検査を続行。造影検査を受ける前の男子学生の脳の状態と、検査後の状態を比べると、造影検査の前は小さかった脳梗塞が、検査後、拡大しているのがわかります。 男子学生は大学ではアメリカンフットボール部で活躍していましたが、検査後、右半身が麻痺し、失語症になるなどの後遺症が残りました。 「将来の夢ですか?それはなくなったですね」(男子学生) 専門医によりますと、造影剤は投与すると血管のなかで小さな塊が詰まって梗塞を起こす可能性があり、患者に異変があればすぐに検査を中止して、塊を溶かす薬を投与するなどの処置をすべきだったといいます。 男子学生側は「検査中に脳梗塞の症状が出たにもかかわらず、検査を続けて、必要な治療を行なわなかった」として、担当医師らを刑事告訴。警視庁は業務上過失傷害の疑いもあるとして慎重に調べています。 なお、病院側は取材に対し、「本治療に関しては適正な医療行為であると認識しています」とコメントしています。(05日10:50)
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