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上山田病院の引受先で調整 千曲市長が見守る考え

12月5日(水)

 長野赤十字上山田病院(千曲市)の閉鎖方針が打ち出されている問題で、千曲市の近藤清一郎市長は4日の市議会で、後医療の引受先として病院側が医療関係の1団体と調整を始めていることを明らかにした。閉鎖を1年先延ばしする条件として病院側が示している同市など地元自治体の財政支援については「協議をいったん保留する」と述べ、交渉の推移を見守る考えを示した。

 この団体について、長野赤十字病院の小林俊規事務部長は「後医療の引受先を探す中で名前が挙がり、現在、その団体についての調査を進めている段階」と説明。直接的な交渉はこれから行うとしている。近藤市長は取材に「病院側の交渉で、この団体が引き受ける考えを示せば、後医療の依頼先として検討していきたい」と述べた。

 近藤市長によると、11月末に小林事務部長と今後の後医療対策などについて懇談。「後医療の見通しがまったく立たない場合は、財政支援についても困難」との市の姿勢を伝え、あらためて病院側に後医療の確保を求めたという。

 病院側はこれまで、診療体制を外来診療のみに縮小し、約1億3千万円と試算する運営費の赤字を地元自治体が負担することなどを条件に、閉院を1年間延期する案を提示。この案を受け入れるかどうか、市側は回答を求められていた。