久米島町/唯一の産科医 退職へ
公立久米島病院(當銘正彦院長)の産婦人科医師が、来年四月に退職することが四日、分かった。後任は未定で、當銘院長は「県立病院からの派遣ができないか調整している」と説明している。同病院の産婦人科医は二〇〇四年四月から一時不在となり、翌〇五年八月に医師一人が赴任、常設科として再開したばかり。久米島町で唯一の産婦人科の存続が再び危うくなっている。
同病院は二〇〇〇年四月の開院以来、産婦人科医の確保に苦慮。久留米大などが医師を派遣していたが〇四年三月に任期切れとなり、一時は産婦人科医不在になった。同六月から県や琉大、県内民間病院の医師らが日帰り診察などで応援したものの、住民は出産の際、島を出なければならなくなった。
〇五年八月に医師一人が赴任、常設科として再開して出産が可能になっていたが、後任の専任医が決まらない場合、約二年半ぶりに再び島での出産などが難しくなる。
平良朝幸久米島町長は「お産の時、那覇に出ていかなければならない離島の実情があり、心配だ。当事者にとっては大きな負担になることでもあり、そのことを県などにも伝えていきたい」と語った。