彦根市立病院(赤松信院長)は3日、医師が1人になり、3月から出産ができなかった産婦人科に来年2月1日から院内助産所を開設すると発表した。非常勤の産婦人科医師1人が確保できたのが大きな要因。2人目以上のお産で、通常分娩(ぶんべん)が可能な出産リスクの低いケースに限定し、年間100件の分娩に対応する。院内助産所は県内初。
産婦人科は、医師3人だったが、3月20日以降は1人に。外来は従来通り行い、分娩や手術、がん治療などは軽い場合を除き、他の病院を紹介してきた。出産を控えた母親を中心に不安が高まり、市は湖東地域医療対策協を設けて対応を協議。市立病院も院内助産所開設に備え、先進地の神戸などで助産師の研修を重ね、施設も整備した。
この日は、赤松院長や江頭輝枝・看護部長らが記者会見。医師ではなく、助産師15人が中心になって院内助産所を開設し、常勤医師と新しい非常勤医師が万一に備える支援態勢を発表した。前回が帝王切開だった妊婦や双子や逆子などリスクの伴うケースは対象外。
同病院は、医師3人の時は年間550件の分娩があったが、助産所では100人前後になる見通し。赤松院長は「週1回だが、非常勤医師の確保と、助産師の研修が終わるので、リスクが低いケースに限るが、分娩ができる院内助産所が開設できる。今後は医師確保に努力する」と話している。【松井圀夫】
毎日新聞 2007年12月4日