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【北陸発】

大日岳事故 登山研修 安全策探る 和解受け文科省 富山で検討会始動

2007年12月4日

登山研修会の安全対策について意見を交わす委員ら=3日、富山市内のホテルで

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 北アルプス・大日岳で二〇〇〇年、旧文部省主催の冬山登山研修中だった大学生二人が雪庇(せっぴ)の崩落で死亡した事故で、文部科学省は三日、今年七月に成立した遺族と国との和解条件に盛り込まれた安全検討会の第一回会合を、富山市内のホテルで開いた。

 検討会は、研修再開に向けた安全対策などを考えるため、大学教授や弁護士ら有識者九人の委員で構成。この日、明治大の飯田年穂教授を座長に選出した。

 議論では溝手康史弁護士が「国主催の研修である以上、安全第一でなければならない」と指摘。村越真静岡大教授は「絶対的な安全を確保した中での登山では、リーダー育成という点で問題があるのでは」などと述べるなど、各委員が研修の在り方について意見を交わした。

 事故で死亡した大学生の内藤三恭司(さくじ)さん=当時(23)=の母万佐代さん(60)と、溝上国秀さん=同(20)=の母洋子さん(53)も傍聴。

 万佐代さんは「知識を持った方々ばかりなので、具体的な議論を期待したい」、洋子さんは「研修会自体を問題視しているわけではない。より安全な環境でリーダーになるための技術を学べるようになれば」と話した。

 検討会は月一回のペースで開かれ、来年四月に中間報告を、六月に最終報告をまとめる予定。次回は東京都で行われる。 (富山支局・対比地貴浩)

 

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