2007年12月4日 [火]
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審議官「撤回考えず」 軍強制削除検定意見

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審議官「撤回考えず」 軍強制削除検定意見

 【東京】「沖縄戦の歴史歪曲(わいきょく)を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」など3団体と県選出・出身野党国会議員らは4日午前、文部科学省に布村幸彦審議官を訪ね、検定意見の撤回などを求めた。高嶋伸欣琉球大学教授によると、布村審議官は検定意見について「最近の学術状況に照らして教科書調査官が原案を作成し、審議会が専門的学問的見地から審議したので、撤回は考えていない」と否定的な見解を示した。
 要請したのは、すすめる会のほか、沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会・東京、大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会の2団体。
 布村審議官は検定制度の見直しについては「静謐(せいひつ)な環境での審議や審議の公開性など、検定制度の在り方も検討する」と述べた。
 「市民の会・東京」は三鷹市や国立市など、都内の地方議会に意見書採択を請願してきた住民らで構成する。代表の阿部ひろみさんは「撤回の動きが見えてこない。沖縄の怒りや悲しみを受け止めてほしい」と話し、教科用図書検定調査審議会の審議の公開や検定制度・審議会委員選任の見直しを求めた。
 高嶋琉大教授は「検定意見に誤りがあった場合の是正措置がなされないまま今日まで至っているのは、文科省の不作為、怠慢だ」と指摘した。
 衆院議員の照屋寛徳(社民)、赤嶺政賢(共産)、参院議員の山内徳信(社民)、糸数慶子(無所属)の4氏が参加。照屋氏は「この問題で国民の怒りが収まることはない。検定意見を撤回し訂正申請を認めるべきだ」と訴えた。

(12/4 16:01)

 
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