◇「ルールとマナー」「危険性」
出会い系サイトを通じて子どもが被害者となる事件やインターネット上のいじめが全国的に多発していることを受け、県警は、小中学生と保護者向けの被害防止対策用の資料を作製、ネット上で無料公開した。県警ホームページなどから自由にダウンロードできる。少年課は「学校や地域での啓発活動に利用してほしい」と呼びかけている。
県警に寄せられたインターネットにからんだ相談は07年1~8月末現在で417件(前年同期290件)。ネットオークション(131件)や悪質商法(113件)のほか、名誉棄損・中傷(46件)にかかわる問い合わせが目立つ。児童の誘い出しや児童ポルノをめぐる相談も3件あった。出会い系サイトを通して児童買春事件などの被害に遭った中高校生は07年1~9月で計10人に上った。
資料はパワーポイント形式で、小学高学年向けの「ネット社会のルールとマナー」▽中高校生向けの「携帯電話・インターネットを安心して利用するために」▽保護者向けの「ネット社会における子どもの保護対策」--の3種類。
根拠のないうわさを不特定多数に送りつけるチェーンメールや個人情報の流出、出会い系サイトの危険性など子どもが出合う可能性が高い事件を実例付きで紹介。保護者向けでは、有害サイトを閲覧できないようにするソフトの使用方法などを説明している。
少年課は「相談件数も、被害規模も氷山の一角。高校生などはほぼ全員が携帯電話でネットを使える状態で、実際は何十倍になるはず」と指摘している。問い合わせは同課少年サポートセンター096・381・0110。【門田陽介】
毎日新聞 2007年11月10日