県内の06年度公立学校のいじめが前年度(69件)の20倍を超える1513件に上っていることが、文部科学省の調査で分かった。いじめの定義を見直したことが要因とみられる。内訳は小学校685件(前年度14件)▽中学校621件(同20件)▽高校189件(同35件)▽特別支援学校18件(同0件)--だった。
全校種とも「冷やかし、からかいなど」が最多で全体の46・6%。「仲間はずれ、集団無視」の20・7%が続いた。
「いじめ」の定義が変わったことで、前回調査までは「いじめ」ではなかった現象が一転、「いじめ」となった。全国で件数が6倍となったのに比べ、岩手では20倍以上と突出している。県教育委員会は、「文科省定義のいじめだけに着目していたわけではない。調査定義の変化で、県や現場の見方がころっと変わるわけではない」として、現在実施している早期発見・早期対応などの取り組みをさらに継続する方針だ。
病気やけが、経済的な理由などがなく年間30日以上欠席した「不登校」は、小学校158人(同13人増)▽中学校1038人(同43人増)▽高校524人(同50人増)--といずれも増加した。 一方、「暴力行為」は前年度比11件減の115件。形態は生徒間暴力が最も多く全体の7割以上となっている。【念佛明奈】
毎日新聞 2007年11月16日