県教委は15日、06年度の児童・生徒の問題行動調査を発表した。公立の小・中・高校で発生した暴力行為は、前年度比262件増の655件で、特に中学校で増加傾向が顕著だった。県教委は「『荒れ』の兆候である可能性ととらえ、各校に対応を促したい」と話している。
暴力行為の内訳は、小学校116件(前年度比68件増)▽中学校410件(同170件増)▽高校129件(同24件増)。うち中学校は、生徒間暴力171件(同62件増)▽器物損壊126件(同69件増)だった。石川栄寿・児童生徒指導推進室長は会見で「対人関係やコミュニケーション能力不足のために起きているという印象を受けた」と述べた。
また、小・中・高全校のいじめの認知件数は1916件となり、05年度の発生件数322件を大幅に上回った。文部科学省がいじめの定義について「一方的に」「継続的に」「深刻な苦痛を感じている」との文言を削り、より幅広くとらえるよう改めたためという。内訳は「からかいや悪口」が1273件で最多。携帯電話の掲示板サイトなどで中傷する「ネットいじめ」も68件に上った。
05年度の1000人当たりのいじめ発生率は1・5件で、全国ワースト18位だったが、06年度の認知率は8・2件(私立校含む)で、20位にやや改善した。県教委は「一概に比較はできないが、深刻な状況に変わりはない。教員の指導力を上げて解決に取り組みたい」と話している。【戸上文恵】
毎日新聞 2007年11月16日