◇県教委「細かい対応を」
文部科学省が15日に公表した昨年度の小中高校生の問題行動などの調査結果で、県内の暴力行為は7049件で前年度に続き2年連続で全国最多となった。県内では14日に女性教諭を殴って重傷を負わせたとして中学2年生が県警に逮捕されたばかりで、引地孝一教育長は「子供たちのコミュニケーションの問題も背景にあり、きめ細かい対応が必要だ」と述べた。
県教育委員会などによると、県内の暴力行為件数は97年度以降、04年度を除いてすべて全国最多となっている。今回は公立校では計6663件(611校)で、うち中学校が5214件(前年比11・2%増)を占め、小学校695件は前年比38・7%の大幅増。加害生徒・児童数は5999人で、男子が9割となっている。暴力の対象別では▽生徒3209件▽教師926件▽その他の対人163件▽器物損壊2763件だった。
また、今回から調査が始まった私立校は380件(63校)で、うち高校が255件だった。
いじめについては、今回から調査対象の定義を「(生徒・児童が)深刻な苦痛を感じている」から「精神的な苦痛を感じている」などに変更。このため、全国的に件数が大幅に増え、県内の公立は前年比2・5倍の5580件になった。県内全体では昨年度の全国2位から7位となった。公立校では中学1年が1422件と最多で、男子が55・9%。
引地教育長は「最近は『ネットいじめ』など陰湿化が進み、実態の把握は難しくなっている。対策を社会全体で考えるべきだ」と強調した。
また、私立高校生4人が自殺したが、県学事振興課は「いずれもいじめが原因ではない」と説明している。【山下修毅】
毎日新聞 2007年11月16日