文部科学省が15日発表した06年度の児童生徒の問題行動調査によると、県内の公立小中高校と特別支援学校でのいじめ認知件数は2813件で、前年度の190件から約15倍に急増した。いじめ自殺問題などを受けて文科省がいじめの定義を拡大したことが影響したとみられるが、県教委は「これまで以上に安心して学べる環境作りに努めたい」としている。
調査結果によると、県内の認知件数は小学校1284件▽中学校1249件▽高校276件▽特別支援学校4件。1校当たりでは小学校3・56件(全国平均2・67件)▽中学校8・61件(同4・84件)▽高校4・93件(同2・26件)▽特別支援学校0・27件(同0・39件)と、小中高で全国平均を大きく上回った。
県教委生徒指導推進室の佐藤晃洋主幹は「早期発見のために『いじめられた』と感じる側の気持ちを重視するよう定義を拡大したためで、いじめが急激に増えたわけではない。各都道府県ごとに定義解釈にも温度差があり、全国比較の分析もしにくい」と説明。「ただ、2800件という大きな数字は子どもたちからの大事なSOSと受け止めている。これまで以上に丁寧に声を拾い上げ、いじめ防止、早期発見できる体制作りに努める」と話している。【大島祥平】
毎日新聞 2007年11月17日