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問題行動調査:いじめ認知件数全国2位 1000人中36.2件--昨年度 /福井

 ◇前年度1.2件から急増

 文部科学省がこのほどまとめた昨年度の「児童生徒の問題行動」調査結果で、県内の児童生徒1000人当たりのいじめ認知件数は36・2件だった。熊本県(50・3件)に次ぎ全国で2番目に多く、前年度の1・2件から大幅に増えた。【大久保陽一】

 県のいじめ認知総件数は3640件。内訳は▽小学校1968件▽中学校1200件▽高校439件▽特別支援学校33件。小中学校のいじめの状況を問う調査(複数回答)では「冷やかし、からかい、悪口を言われる」(57%)が最も多く、「仲間はずれ、無視をされる」(19%)「軽くぶつかられたり、けられたりする」(11%)が続いた。

 県教委によると、県内分の同調査は昨年11月に実施した県独自のアンケート調査と個人面談の結果などを踏まえ、各校が県に報告した数を集計した。県教委は、いじめを認知した公立小の88%、中学校の82%の案件は「その後の指導で既に解消している」と説明している。

 ■視点

 ◇件数増を前向きに

 文科省の昨年度児童生徒の問題行動調査で、県内の1000人当たりのいじめ認知件数は「全国で2番目に多い」というショッキングな結果が出た。これに対し、認知件数が都道府県で最大50ポイント近くの差があることから、県内でも「実態を本当に反映しているのか」といぶかる声がある。

 西川一誠知事も、19日の定例会見で「調べるだけで後がないというのはおかしい。調査結果を全国的に評価する場を設けるよう文科省に要請したい」と疑問視した。

 だが、県内に計3640人のいじめに悩む子どもがいたという事実結果は隠しようがない。確かに、今回の調査はいじめの定義を「心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と被害者側に立った視点に見直したことで、県内の認知件数は前年度に比べ約30倍に増えた。

 他の都道府県も同じように増えている。その中で、全国2位の多さというのは、調査した県内の学校関係者がいじめを敏感に察知したと評価する以上に、「子どもたちの真の叫びが細やかにくみ取れた」と前向きにとらえるべきではないか。

 「認知件数が増えたことは、真摯(しんし)にとらえなければならない」(県義務教育課の高橋研一課長)と、数字を真正面から受け止める県内の教育関係者もいる。今月22、28両日には、県内の全公立小・中学校の生徒指導教諭が県立大に集まり、いじめ対策を話し合う「いじめ対策連絡協議会」が開かれる。今回の調査結果が、その場でも有効に活用されることを望みたい。【大久保陽一】

毎日新聞 2007年11月21日

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