薬害C型肝炎の疑いが強いリスト記載者418人の特定に結び付く資料が放置され、告知されていなかった問題で、厚生労働省は3日、文書管理がずさんだったとして、高橋直人医薬食品局長ら現職幹部3人を同日付で文書による厳重注意処分とした。
ほかに処分を受けたのは、黒川達夫大臣官房審議官(医薬担当)と中沢一隆同局総務課長。3人は同局のトップ3に当たる。厚労省は、いずれも国家公務員法に基づく懲戒処分には至らないとして、内規による処分にとどめた。
厚労省調査チームが先月30日公表した調査結果で、418人分の資料が2002年に製薬会社から提出された後、当時の同省監視指導・麻薬対策課係長が課内の書棚に保管していたが、後任者には場所とファイルの存在しか引き継がなかったことが放置の主因と判明。同省人事課は、上司の課長や局長は本来なら処分対象だが、既に退職しているため処分できなかったとしている。
また、「自分の周りのスペースが手狭になった」として、04年7月ごろに資料を地下倉庫に移した別の当時の同課係長やその上司については、直接処分対象としなかった。その代わり、「資料をめぐり、02年当時からの一連の文書管理に組織として問題があった」として、高橋局長ら3人を対象としたという。
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