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アレルギー起こすたんぱく質発見 治療法の開発に期待

2007年12月03日

 花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー反応が起こる際に、必須の働きをするたんぱく質を、理化学研究所の研究チームが見つけた。このたんぱく質を制御することで、新しい治療法の開発につながる可能性があるという。研究成果は2日付の米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版に掲載された。

 アレルギー原因物質(アレルゲン)が体内に入ると、抗体がつくられ、免疫細胞の一種「肥満細胞」を刺激。そこからヒスタミンなどの化学物質が放出されて、アレルギーが発症する。

 理研免疫・アレルギー科学総合研究センターの黒崎知博グループディレクターらは、化学物質が放出される時に、細胞質内でカルシウム濃度が上昇することに着目。カルシウムセンサーのような役割があると考えられるSTIM1というたんぱく質を調べた。すると、STIM1を低下させたマウスでは、細胞外からのカルシウムの流入が抑制され、アレルギー反応も抑えられていることがわかった。

 STIM1は、体に必要な別の役割を果たしている可能性もあるため、鼻や皮膚など局所的に制御できれば、新しい治療法の開発につながりそうだという。

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