東京地区(23区と武蔵野市、三鷹市)と東京都多摩地区、京浜地区(横浜市、川崎市など)のタクシー運賃が3日、消費税引き上げに伴う97年以来10年ぶりに値上げされた。初乗り運賃は660円から710円(2キロまで)になった。東京地区のタクシー会社の9割以上が値上げし、個人タクシーも9割が追随した。
新運賃は従来の小型、中型を普通車に一本化し、加算料金は東京地区が288メートルで90円(現行は274メートルで80円)。深夜早朝割増料金は午後10時〜午前5時で2割増し(現行は午後11時〜午前5時で3割増し)となる。
値上げは規制緩和による台数増加などで競争が激化し収入が減った運転手の待遇改善や、燃料費高騰が理由。国土交通省は東京地区の後も30地区で値上げ認可を決めた。
3日朝、JR東京駅前で病院へ行くためタクシーを待っていた国分寺市の無職男性(71)は「本当に運転手の生活が良くなるのか。収入がない中で値上げは厳しい」とため息をついた。また、名古屋市から来た主婦(49)は「運転手の質が落ちるよりはいい。価格に見合ったサービスを期待したい」と話した。
一方、東京都江東区の東都無線タクシー深川営業所では、深夜の営業から戻った13台に新しい運賃シールを張る作業が慌ただしく行われた。【辻本貴洋、高橋昌紀】