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人権擁護法案提出へ再始動 自民調査会、新たな火種に '07/12/3

 自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)が三日、約二年七カ月ぶりに活動を再開し、自民党内の意見対立で政府が二○○五年に再提出を断念した人権擁護法案の来年の通常国会への再提出を目指し、意見調整を進める方針を確認した。

 法案に批判的な安倍晋三前首相や中川昭一元政調会長らの発言力が強かった小泉、安倍政権時代には事実上活動停止に追い込まれていたが、福田政権になり安倍氏らの発言力が低下、一方で古賀誠選対委員長や二階俊博総務会長ら推進派が執行部入りしたことで活動を再開した。ただ保守系議員ら反対派の抵抗も根強く、今後の展開次第では与党内の火種の一つとなりそうだ。

 人権擁護法案は、差別や虐待などの人権侵害行為に対応する新たな救済機関として「人権委員会」を設置するのが柱。二○○二年に国会に提出されたが、メディア規制などをめぐって批判が強く、○三年の衆院解散で廃案。政府は○五年にメディア規制部分を凍結して再提出を目指したが、実務に当たる人権擁護委員の選任基準に国籍条項がないことに保守系議員が反発、調整がつかなかった。

 調査会は、新たに伊吹文明幹事長ら党四役や青木幹雄前参院議員会長らが顧問に就任、三日の会合には四役全員が出席した。太田氏は、○五年に検討された法案をたたき台に修正作業を進める考えを示した上で「(救済すべき人権侵害の)範囲が広すぎ、ほかの法律で手当てされたものもある。必要で簡潔な法律になるよう協力をお願いしたい」と強調した。




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