講演した李鐘元・立教大教授 (撮影者:中台 達也) 1982年に来日し、在日24年になる李鐘元(イ・ジョンウォン)教授は講演で、最近の日韓の状況について「日本が(かつての)韓国化し、韓国が日本化している」と指摘した。 「日本のサッカーが強くなり、韓国人が以前より辛いものを食べなくなったように、国歌演奏で言えば、韓国では演奏されることが減り、日本では『歌わなきゃいけない』という感じになってきている」(李教授) また、日韓双方で高まっている相手国批判について「ぶつかっているようだが、同じロジックと思考方式に基づいている」とした上で、3つの特徴を挙げた。 (1)自分は変わったのに、相手は変わってないという考え方 (2)自分には多様性があるのに、相手は一枚岩だという考え方 (3)自分のナショナリズムは外部の動きへの反応だとしつつ、相手のナショナリズムは内発性のものだとする考え方 一方で、李教授は「日韓ほど似かよっている人たちはいない。韓国への反発を持っている学生を韓国に連れて行き、現地の学生と引き合わせると、議論は激しくなるが、1週間ほどで帰国する際には互いに涙を流している。これはなかなか世界的にもない。日韓の人には共通の土台があり、近づきあうのが世界でも早い」とも指摘した。 その上で、心理学の「人間は、大きな違いには寛大になれるが、小さな違いには耐えられずに攻撃的になる」とのセオリーを引用、「日韓はあまりに似ているので、相手を見る際に自分のものさしを使い、感情表現の違いなど、少さな“違い”で大きな違和感を感じてしまっている。これが『歴史問題』などにも影響している」と李教授は語った。「そうした違和感は『違いを楽しもう』と捉え、突破していくべきだ」。 日韓の市民記者約50人が集った「日韓市民交流会」 (撮影者:中台 達也) 日本版編集長の鳥越俊太郎も「日韓の交流を通じて、新しいメディアの世界を切り拓きたい。今日はその1歩になる」と語った。 参加者らは午後、6つのグループ(教育、スポーツ、漫画・アニメ、暮らし、主婦、大学生)に分かれて合同取材を行う予定。
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