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【神奈川】

役目終えた牛で『命の大切さ学ぶ』 レトルトカレーの具材に 相原高、商品化も

2007年12月3日

 相模原市の県立相原高(細谷正一校長)は、カレーの老舗「中村屋」の協力で、生徒らが飼育した牛を使ったレトルトの「相原牛カリー」を開発した。長年、繁殖牛として育てた雌牛への感謝を込め、「おいしく食べてもらいたい」と生徒らが発案。千六百食分を作り、市内の地域イベントなどで振る舞われている。

 カレー作りに取り組んだのは、農業クラブ畜産科学分会の女子生徒ら十二人。今年で役目を終えた繁殖牛「ひふみ」(七歳)が、老齢で肉が硬くなって商品価値が低いことを知り、「命を無駄にしたくない」とレトルトカレーの具材としての活用法を思いついた。

 趣旨に賛同した中村屋が商品開発を引き受け、「教育目的だから」と開発・製造費も負担した。生徒らは東京農大や明治大の協力で、カレーに関する講座や調理実習を受け、料理法への知識を深めて開発に加わった。

 カレーはひふみの肉を丸ごと二百キロ使い、ビーフシチューのように濃厚でこくのある味に仕上がった。パッケージも生徒がデザインし、完成したカレーは全校生徒や地域住民らに配られた。

 メンバーの代表を務めた三年の菊地忍さん(17)は「命の大切さと食べ物への感謝の気持ちをあらためて学ぶことができた」と話している。同校は今後、「相原牛カリー」の商品化も考えている。 (樋口薫)

 

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