サイエンス

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

コンタクトレンズ:厚労省が診療所を指導・監査へ

 コンタクトレンズの購入希望者を専門的に検査する眼科診療所で診療報酬の不正請求が相次いでいるとして、厚生労働省と各地の社会保険事務局は悪質な診療所の指導・監査に乗り出した。昨年度からコンタクトレンズ診療所の診療報酬が大幅に引き下げられたにもかかわらず、請求額が減っていない状況を受けた措置で、対象は100カ所以上になるとみられる。

 コンタクトレンズ診療所は全国に約1200施設あり、大半は販売店と提携して患者の紹介を受けている。必要のない検査や何度も初診料を請求するケースが多く、厚労省は昨年4月の診療報酬改定で出来高加算だった検査の保険点数を包括化し、コンタクト使用者が外来患者の70%を超える場合は点数を一般眼科の半分にした。

 しかし、日本眼科医会の調査によると、コンタクトレンズ診療所からの保険請求は05年度から06年度にかけ約400億円しか減らず、約1000億円の圧縮を見込んだ厚労省の試算と大きな隔たりがあった。収入を維持するため、割高な検査料を不正請求したり、コンタクトレンズの購入者を別の病気のようにカルテに記載し、コンタクトの処方を70%以下に装う診療所が多いという。

 監査で不正が発覚した場合、診療報酬の水増し分の返還や、保険医療機関取り消しの処分がある。処分逃れのための廃院や返還拒否が分かれば、刑事告発が検討される。

 コンタクトレンズ診療所を巡っては、実際は勤務していない医師による管理者の名義貸しも問題になっており、日本眼科医会などは実質的に診療所を経営する販売店の取り締まりも求めている。【清水健二】

毎日新聞 2007年12月3日 19時19分

検索:

サイエンス アーカイブ一覧

ニュースセレクトトップ

エンターテインメントトップ

ライフスタイルトップ

 

おすすめ情報