J1昇格の夢は来年に--。サッカーJ2・ベガルタ仙台は25日、京都市の西京極総合運動公園で勝ち点差2で追う3位の京都サンガFCと対戦し、0-1で惜敗した。直接対決に敗れ勝ち点差は5に広がり、4位以下が確定。J1昇格への道は断たれた。試合は互いに譲らず無得点のまま後半ロスタイムに突入、終了1分前に決勝点を奪われる最悪の展開。勾当台公園(仙台市青葉区)で行われたパブリックビューイングでは、会場を埋め尽くした約3000人のサポーターから「あーっ」と悲鳴とため息がもれ、頭を抱え込んだり涙を流す姿が見られた。
前半立ち上がり、ボールを支配したのはベガルタだったが、クロスを多用するサンガに攻め込まれる場面が目立ち始める。多賀城市の会社員、大河内純さん(35)は「前回J1昇格を決めたのも同じ西京極。今年も、大切なこの場所で絶対に勝ってほしい」とユニホーム姿で必死に応援。
0-0のまま迎えた後半には再三、相手ゴール前でFW中島裕希やMFロペスらに絶好の機会が訪れるものの、得点には結びつかない。後半34分、相手のロングシュートをGK林卓人が好セーブし、直後に途中交代のMFファビーニョからパスを受けたロペスが左サイドからゴールを狙ったが、わずかにバーの上。逆にロスタイム突入後、元ベガルタのサンガMF石井俊也にヘディングシュートを決められ、そのまま逃げ切られた。
パブリックビューイング会場では、J1昇格が消滅した瞬間に力なく座り込んでしまう人の姿も。ブランメル時代から応援を続ける仙台市青葉区の佐藤ひろみさん(35)は「プレッシャーからか、いつもの動きができていない気がした。ただただ、悔しいです」と涙をぬぐった。【青木純、伊藤絵理子】
毎日新聞 2007年11月26日