青葉公園ピクニック広場の駐車場整備断念

 千歳市は、青葉公園のピクニック広場周辺駐車場整備を断念した。絶滅危惧(きぐ)種の植物が確認されるなど、整備によって自然環境への影響が大きいと判断した。高齢者などの利用向け、環境にやさしい電動カーの導入も検討している。
 ピクニック広場は市民の身近なキャンプ場として利用されているが、中央広場駐車場からは500メートルほど離れているため、利用者から近接する駐車場整備の要望が出ていた。
 これを受け、市は2006年度の現地調査を踏まえ、広場周辺に94台収容できる駐車場と、人工林を伐採して道路整備を行う方針を固めていた。ただ、千歳の自然保護協会(明野幸久会長)が道路ルート上には「貴重な植物」が多いとして、再考を求める陳情を提出していた。
 こうした指摘に、市は昨年11月から詳細な自然環境調査に着手。その結果、環境省のレッドブックに明記されている絶滅危惧種の鳥類の採餌木が確認されたほか、絶滅危惧種4種類の植物も見つかった。伐採対象の約850本のうち、4割は樹齢30年以上の人工のカラマツで、残りは高さ2メートル未満の天然林であることも分かった。
 これらから、天然木を含めて希少性動植物の貴重な生息環境、駐車場整備による車両の騒音振動などが、希少性鳥類の採餌に影響を与える―として、自然環境を保護する形で駐車場整備を中止することに方針転換した。
 

小中学校がサケの里親に

興味深げに水槽をのぞき込む島松小の子供たち
 えにわ市民サケの会(鼻和憲生会長)と恵庭商工会議所は11月30日、サケの受精卵を市内の小学校7校と中学校5校に届けた。漁川に稚魚を放流する来春まで、子供たちが餌やりや水温管理の世話をして育てる。
 ふるさとの母なる川・漁川を昔のようにサケが帰ってくる川に―との思いから、毎年取り組んでいるサケの里親事業。千歳川で捕獲されたサケから10月12日に採卵、受精した卵とデータ表をこの日、道立水産ふ化場から譲り受け、小中学校に合わせて1万粒を届けた。
 島松小(講神隆史校長)にも770粒が届いた。この日を心待ちにしていた2年生は、卵を見て「あっ、イクラだ!」と大きな声を上げて出迎えた。早速、水槽に入った卵を興味深げにのぞき込み、「目が動いたよ」などと会話を弾ませていた。水温8度を保てば、12日ごろにはふ化するという。
 世話は2年生の役目。来年4月上旬の放流日まで飼育し、観察を通じ生命や環境の大切さを学ぶ。
 

日本航空専門学校で会社説明会
 日本航空専門学校で、航空業界の会社説明会が開かれた。2009年3月卒業予定の学生を対象に、航空関連各社が実際の仕事の現場で必要とされる技術、心構えなどについて伝えるのが目的。11月30日まで3日間の日程で行われ、、学生たちは進路についての意識を高め、就職戦線を実質的にスタートさせる。
 説明会に参加した企業は、大別して整備業務を行う会社とグランドハンドリング(航空機の発着に伴う地上支援業務)を行う会社の2分野。例年参加している全日空関連企業18社と日本航空関連企業23社のほか、今年は初めて両社関連以外の企業12社も参加し、参加企業数は53社となった。
 東京、大阪、九州、沖縄など全国から企業が集まった。うち道内企業は7社。団塊世代の大量退職や新型航空機の国内生産が本格的に始まることなどを背景に、航空業界では航空整備士や技術者の需要が高まっている。
 

いじめ撲滅宣言を再確認

 千歳青葉中(河野匡宏校長)で11月30日、全校生徒によるいじめ撲滅集会が開かれ、学校挙げて取り組む2005年12月の「いじめ撲滅宣言」を確認した。
 いじめ撲滅へ青葉中は、アンケート調査のほか、学年ごとにポスターやスローガンを廊下に張るなどの活動を続けている。集会は1年間の集大成として、毎年開催している。
 集会では、和田尚也教諭が「いじめを受けると、生命を維持する働きの脳幹機能が弱くなる、と研究で分かっている。いじめは人を殺す行為につながる」と訴え、この後、各学年のいじめ防止に向けた取り組みが紹介された。「『ありがとう』は相手を思う言葉。このあいさつがいじめ撲滅につながる」「一人ひとりがいじめをなくそうと努力すべき」などの意見があった。
 3年生は生徒全員が書いた、いじめられている人といじめる人への手紙を披露した。「もし大切な人が傷付けられていたら、わたしは支えになりたい」「いじめをする君。いじめをして君に何の利益があるのだろう」「君が変われば周りの世界も変わるかもしれない」とのメッセージだ。
 最後に「自分を大切にし周りにも優しくできる人になる」「人の意見を素直に聞き入れ、いろいろな立場で物を考えられる人になる」「感動や達成感を周りの仲間と共有できるようになる」とのいじめ撲滅宣言を生徒全員で確認。三雲康平生徒会長(13)は「みんなが一人のことを考えて、いじめがない学校にしたい」と決意を語っていた。
 

千歳高校定時制ケータイ安全教室

 千歳高校定時制で11月30日、NTTドコモ北海道「ケータイ安全教室」が開かれた。便利な携帯電話に潜む危険性を説明し、約80人の生徒が安全な利用法を学んだ。
 ドコモ北海道総務部社会環境室の宮田亜矢さんが講話した。宮田さんは携帯電話の歴史や機能、普及率を説明し、利点を話す一方で、手元になければ不安になる携帯電話依存症について、「携帯電話は道具。依存症は人が携帯に使われてしまう」と注意を促した。
 携帯電話のトラブルに関しても解説。迷惑メールや出会い系サイトなどの危険に触れ、「知らないアドレスのメールは無視し、ネットでも知らない人は信用しないで」と呼び掛けた。また、いじめの温床ともされるネット掲示板について、「自分が言われていやなことは書き込まないで」とも。さらに、「携帯電話で被害者にも加害者にもなる。自分で自分を守る責任を自覚して」と訴えた。
 

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