ゲームオーバーの果てに
人生を遊ぶ
「Wii Fit」は、家庭用ゲーム機Wiiに、「バランスWiiボード」と呼ばれる幅約51センチメートル×縦約31センチメートルの専用板を接続して使用する健康ソフト。「バランスWiiボード」の上に立つことで、全身の身体バランスやBMI(身長と体重の比率から算出する肥満度)を測ることができる。40種類以上のトレーニングゲームがあり、さまざまなダイエットも楽しめる。毎日の測定結果を保存できるので、日々の変化をグラフで表示して、自分の身体の移り変わりを毎日楽しむことが可能。まさしく、プレイヤー自身の身体を使った「人生のゲーム」だ。
任天堂が昨今リリースしているゲームは、こういった「人生のゲーム」が増えている。例えば、任天堂が“Touch Generation”と名づけているシリーズ――大ヒットした「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」をはじめ、「見る力を実践で鍛えるDS眼力トレーニング」「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」など――はまさに、自分自身のスキルアップを、ゲーム仕立てにしているソフト群だ。
プレイヤー自身の変化を題材にするゲームは、自分自身にリターンが跳ね返ってくるだけに、手ごたえは抜群だ。「Wii Fit」で毎日10分遊ぶだけで、じわりじわりと自分の体重と体型が変化していく喜びは、これまでのコンピュータゲームでは味わえない快楽と言えるだろう。
「脳トレ」ならば自分の「脳年齢」が、「眼トレ」ならば自分の「眼年齢」が、少しずつ若返っていく。「えいご漬け」ならば「英語力」が上がり、少しずつ英語への理解度も増していく。遊んでいるはずが、いつのまにか教養が増す。