学校法人グループ都築(つづき)総合学園(福岡市南区)の前総長、都築泰寿(やすひさ)容疑者(71)が強制わいせつ容疑で逮捕された事件で、被害女性が勤務していた福岡県太宰府市の大学で、セクハラ(性的嫌がらせ)防止の指導に訪れた弁護士が女性教職員を対象に被害の聞き取り調査をしていたことが1日、分かった。しかし、調査が男性職員同席の中で行われたため被害を訴える声は1件も出ず、「こんな調査でほかに被害はないと断定されてはたまらない」と反発する声が上がっている。
関係者によると、調査は11月27日に行われた。学園側が招いた女性弁護士がセクハラ防止に関する講演をした後、女性教職員だけ約70人を残して「被害を受けた人や、知っている人は早く言ってください」と、その場で訴え出るよう促した。
調査は約40分続いたが、発言者と内容が特定される状況だったことや、記録係とみられる男性職員が数人、同席していたことなどから、訴え出た教職員はいなかったという。最後に配られた調査票には氏名の記入欄もあった。
セクハラ被害の訴えは個別面談などで、人権侵害など2次被害が生じないように行われることが多く、職員の1人は「性的被害は人前で言える内容ではない。形だけの調査で、セクハラはないとの結論を出そうとしているとしか思えない」と反発している。
学園の広報担当者は「有識者による第三者調査委員会の設置準備をしている段階で、今回の調査とは関係ない。弁護士の判断で行われたと思う」としている。
=2007/12/02付 西日本新聞朝刊=
関係者によると、調査は11月27日に行われた。学園側が招いた女性弁護士がセクハラ防止に関する講演をした後、女性教職員だけ約70人を残して「被害を受けた人や、知っている人は早く言ってください」と、その場で訴え出るよう促した。
調査は約40分続いたが、発言者と内容が特定される状況だったことや、記録係とみられる男性職員が数人、同席していたことなどから、訴え出た教職員はいなかったという。最後に配られた調査票には氏名の記入欄もあった。
セクハラ被害の訴えは個別面談などで、人権侵害など2次被害が生じないように行われることが多く、職員の1人は「性的被害は人前で言える内容ではない。形だけの調査で、セクハラはないとの結論を出そうとしているとしか思えない」と反発している。
学園の広報担当者は「有識者による第三者調査委員会の設置準備をしている段階で、今回の調査とは関係ない。弁護士の判断で行われたと思う」としている。
=2007/12/02付 西日本新聞朝刊=