必要があれば荷物運びまで−。金メダル奪取のためなら、星野監督は全力投球!(撮影・浜坂達朗) |
【北京=宮脇広久】金メダルのためなら何でもやります! あす18日、北京五輪プレ大会の初戦(チェコ戦)を控える日本代表。注目の星野監督は悲願成就のため怒声、カミナリを封印し、大変身を遂げた。
完全アウエー。まさに「忍」の1字。宿舎ホテルの喫茶室でお気に入りのダイエットコークを注文したが、メニューにはない。自ら冷蔵庫の前まで出向き、迷った揚げ句、中国製のコカ・コーラで我慢した。
加えて、報道陣の注文したコーヒーはなぜか、ぬるい。「これが日本でなら、おれも『熱いのを持ってこい!』と怒るところや。でも、よそではしようがないんや」。
グラウンド上も過酷。16日の公式練習では、田淵ヘッド兼打撃コーチが、本人いわく現役引退した84年以来23年ぶりにマスク、レガーズ姿でブルペンに入り、投手の全力投球を受けた。山本守備走塁コーチ、大野投手コーチはフリー打撃に登板。そして、闘将は自らノックバットを。
しかし、これはまだ序の口。アテネ五輪でコーチ経験のある大野コーチは「本番ではもっと大変になる。荷物運びも皆でやらないと。監督もね。その時になってオラーッと(ぶち切れることに)ならないよう心積もりをしておかないと」と予告した。男・星野が荷物運びを余儀なくされる可能性もあるワケだ。星野監督は、キャスター付きの用具入れを横目に「フン、おれの若い頃はあんな便利な物はなくて、もっと大変だったわい」とうそぶいた。
さらに、星野監督の代名詞ともいえるカミナリを封印中。「プロのキャンプのように1カ月くらいかけて鍛えられるなら、ガンガン追い込むが、今回は短い間のチーム。故障をさせずにチームへ返すことが最優先」と仏の顔を通すという。
「ゲームが始まったら、自分がどうなるかわからん。想像も付かない」との不気味な予言に期待して、闘将らしい怒声も聞いてみたい。
ZAKZAK 2007/08/17