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金銭への強い執着 香川・坂出事件の川崎容疑者

2007年12月03日03時01分

 香川県坂出市のパート従業員三浦啓子さん(58)と孫の姉妹計3人が遺体で見つかった事件で、三浦さんの義弟の川崎政則容疑者(61)=死体遺棄容疑で逮捕=が、闘病中の妻(今年4月に死亡)への見舞金を病室から無断で持ち帰ったり、「治療費がかかる」と妻に嫌みを言ったりしていたことが、関係者の話でわかった。県警の坂出署捜査本部は同容疑者が金銭に異常に執着する性格だったとみて、動機解明のため、近親者から事情聴取を進めている。

 「あいつ(川崎容疑者)にお金を取られる」。同容疑者の妻(当時54)は、がんで亡くなる直前の3月、病院に見舞いに来た知人にこう漏らしたとされる。同容疑者は訪れるたびに、病室内に置いてあった見舞金を妻に断りなく持ち帰った。ポットや本を持ち去ることもあったという。

 妻は数年間、闘病生活を続けたが、川崎容疑者に度々、「お前がいたら治療費がかかる」と嫌みを言われていた。このため、妻は病院に行く回数を減らし、投薬も控えようとしたが、親族に止められたとされる。

 妻は、退院したら実姉の三浦さん宅で暮らしたい、との意向を川崎容疑者に伝えた。同容疑者は激しく怒り、「今度お前に会う時は、死んだ時だな」と告げたという。

 妻が亡くなった際、親族らは川崎容疑者に葬儀費用を支払うよう求めた。ところが、同容疑者は「お前ら、香典使い込んだんじゃねえのか。何で金が足りないんだ」と怒ったという。葬儀費用の70万円は結局、同容疑者が頭金として20万円を払い、以後は分割で支払った。

 川崎容疑者の複数の知人は、犯行の動機について「金銭面以外には考えられない」と話す。捜査本部は、同容疑者が事件直後まで住んでいた住宅から押収した借用書などをもとに、当時の状況を詳しく調べている。

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