三洋電機、HIT太陽電池セルで世界最高の変換効率を達成
三洋電機はこのほど、HIT太陽電池で、実用サイズ(100cm2以上)の結晶シリコン系太陽電池セルの変換効率としては世界最高となる22.0%を研究レベルで達成したと発表した。
HIT太陽電池は、三洋電機が開発した独自構造の太陽電池セルで、結晶シリコン基板とアモルファスシリコン薄膜を用いて形成したハイブリッド型。三洋電機は昨年6月、2010年度までに累計400億円以上を投資し、生産能力を600MW/年以上に増強すること、セル変換効率22%以上(量産レベル)を目指すことなどを掲げた「HIT太陽電池次世代プログラム」を策定した。
HIT太陽電池の特徴は、発電層であるc-Si基板表面に高品質なa-Si層を積層することにより、電気の素であるキャリア(電荷)の再結合損失を低減できることにある。今回、c-Si表面の清浄性を従来以上に高める洗浄技術の開発と、a-Si層形成時のc-Si表面へのダメージを従来以上に抑制する技術の開発に成功。界面の高品質化を実現した。その結果、キャリアの再結合損失を低減し、開放電圧(Voc)を従来の0.718Vから0.722Vへと改善した。
太陽電池セルでは、太陽光をセル表面のミクロンオーダーの凹凸によりセル内部に導き、有効利用する光閉じ込め技術が利用されている。今回、凹凸のサイズと形状を最適化して光閉じ込め効果を向上。短絡電流を38.37mA/cm2から38.64mA/cm2へと改善した。
太陽電池の変換効率向上は、太陽光発電システムの低コスト化、シリコン原材料などの省資源化につながる。三洋電機は今後、量産品に適用するための取り組みを進める(日経エコロジー編集/EMF)。
関連情報
・三洋電機のWebサイト http://www.sanyo.co.jp/
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